年末年始の休みが終わり、明日は仕事始め。
 そういう人は多いだろう。
 ただ、学校の場合はまだ冬休み中なので、実際に動き始めるのは7日あたりからになるのかもしれない。

 今週末、1月10日(土)は県内私立中学校の入試解禁日ということで、ほとんど私立中学校で学力試験が行われる。
 個人的な話だが、この日私はどこかしら中学校に入試風景を取材に行くのが恒例となっている。

◆間もなく第2回進路希望調査の結果発表
 前年度入試(令和7年度入試)では、年明け1月9日(木)に発表があった。
 前年度と同じタイミングということだと8日(木)か9日(金)となるだろう。
 倍率を見て、志望校を上げる子、下げる子、いろいろだろう。塾の先生方はちょっと忙しくなる。

 読者の皆さんは仕事柄、個々の高校の倍率もさることながら全体倍率にも目を配っておく必要があるだろう。
 第1回希望調査(10月1日現在)では、全体倍率は1.13倍だった。前年同期の1.17倍から大きく下がっている。
 過去のデータから、第2回調査倍率は第1回より下がることが分かっている。前年度の場合、第1回1.17倍が第2回で1.12倍まで下がっている。
 今年は第1回がすでに1.13倍という低倍率なので1.0倍台(1.08とか1.09とか)まで下がりそうだ。

 普通科について言えば、第1回調査は1.23倍で、こちらも前年同期の1.28倍から大きく下がっている。
 前年度は第2回調査で1.21倍まで下がっているので、これを当てはめると計算上では1.16倍前後まで下がることになる。

◆史上もっとも低倍率の公立入試
 倍率だけで言うなら、おそらく令和8年度入試は、史上もっとも低倍率の入試となるだろう。
 前年度第2回調査では39校(コース含む)が定員割れだったが、今年はもっと増えそうだ。
 また、学校史上最低の倍率(第2回調査倍率としては)を記録する学校も少なくないだろう。

◆公立に三つの逆風
 埼玉県の公立には、次年度(令和9年度入試)向かって三つの逆風が吹くであろう。

【第一の逆風】受験生大幅減
 令和7年度の県発表の資料によると、公立中学校の3年生は5万7970人、2年生は5万6033人である。
 令和9年度入試の対象となる中学2年生は、今の3年生より1937人少ない。ざっと2000人の減少と記憶しておこう。
 この減少は一時的なものではなく、その後も続いて行き、今後増えるということはない。
 もちろんこれは、公立だけに吹く逆風ではなく、私立にも塾にも襲いかかるだろう。

【第二の逆風】私立授業料無償化
 全国各地で吹き荒れている公立への逆風である。
 細かい分析はここではしないが、無償化の影響は、むしろ今年より来年の方が強く現れるだろう。
 令和8年度入試では、所得制限なしの授業料無償化が本当に実現するのかどうかが途中まで分からなかった。だから私立側も情報発信を抑えたふしがある。だが、令和9年度に向けては最初から強力に打ち出してくるだろう。だから、令和9年度入試の方が影響は大きいだろう。

【第三の逆風】複雑化した公立入試
 令和9年度は公立入試改革が実行に移される。
 改革は受験者増につながる場合もあれば、その逆の場合もある。
 埼玉県公立入試の場合は、受験者減につながる可能性が高い。実際はともかく、イメージとしては負担増だからだ。全員に面接が課せられる。自己評価資料の提出が求められる。この二つだけでも受験生は引いてしまう。

 加えて、選抜の特色化を入試改革の目玉に据えた。
 学校が可能な範囲で個性化・特色化を図るのはいい。だが、それは教育内容の話であって、入試まで特色化する必要はあるまい。と、私などはそう思うのだが、公立としては各校がアドミッションポリシーに基づいた設計をしなければならないという事情もあるのだろう。
 結果として特色化は「分かりづらさ」につながり、これもまた受験生が引いてしまう原因となる。

 と、まあ、公立にとってはなかなか厳しい令和9年度入試なのであるが、では私立には追い風が吹いているかと言えば、そうとも言えない。
 根本的な問題として少子化があるわけだから、それを乗り切り、生き残るのは私立にとっても超が付く難題である。