予定通り熊谷女子高校の中学2年生対象の説明会に行ってきた。
圧倒的に近いのは同時開催している大宮高校の方なのだが、ここは募集苦戦中の熊女にエールを送る意味でも遠くまで出かけることにした。
この学校、いわゆる駅近であるから、熊谷駅まで行ってしまえば、あとはどうということはない。
駅から一直線。ものの7、8分で学校着。
問題は、あの歩道橋だ。
あれ、要らない。
国道なので市の都合だけでどうにかなるものではないと思うが、ベビーカーを押すお母さんや手押し車に頼るお年寄りに優しくない。
とっととスクランブルにしろ。
受付は高校生が担当していた。
今日は土曜授業の日に当たっているので、1・2年生は授業中。
そこで、すでに進路が決まった3年生がボランティアで協力する形だ。
名前を告げると、「校長室へどうぞ」と言われた。
話が通っているわけだ。気が利いている。
今日の日程は、「前半見学・後半説明会組」と「前半説明会・後半見学組」とに分かれていた。
であれば、せっかくの機会だから授業も見ておきたい。
事前に、ぐるぐる教室を巡るのではなく、お一人の授業をフルに見学したいとお願いしておいた。
校長先生のお勧めは、同校2年目の若手教員の授業だった。
計算し尽くされたベテランの授業もいいが、勢いのある若手の授業が楽しい。
◆ICTフル活用の今時授業
1年生物基礎の授業は、グループ活動かつiPadをフル活用した今時の授業だった。
免疫についてのまとめ動画を各班が事前に作り、それを紹介しながら各自が感想や意見を述べる。
昔だったら、手を挙げさせたり指名したりして意見を求めるところだが、今時そんなことはしない。
生徒は見終わるやいなや意見や感想を手元のiPadで送信する。むろん瞬時にそれらは全員で共有される。
先生と生徒、生徒同士の活発なコミュニケーション(意見交換)も印象的だ。
頻繁に生徒からいわゆるツッコミが入ったりするのだが、この先生、適度にそれを拾ったりスルーしたりと若いのになかなか巧みだ。
先生の名は公表してもいいだろう。
蒔田幸輝先生。
私は一瞬、電動工具を思い浮かべた。
(注意:名前で人を揶揄する悪い例である)
◆地声で話す生徒たち
私のもう一つの驚き。
それは生徒たちの声だ。
思い過ごしでなければ、彼女らは地声で話している。
何か感動ポイントがあると、「ウォー」という声が上がるのだが、オクターブ低い(気がする)。
っていうか、そもそも「ウォー」はあんまり言わんだろう。ガチの運動部女子なら別だが。
よく女子校生に聞くと「(女子校の良さは)ありのままの自分でいられる」と言う。
無意識か意識してかは分からんが、変に高めの声を出す必要がなく、普段通りのトーンで話をできる。
それも、もしかしたら彼女らの言う「ありのままの良さ」、すなわち「女子校の良さ」なのかもしれない。
もちろん共学校の女子が全員声を作っているなどと言うつもりはない。
人それぞれではあるのだが、何となく伝わってくる「解放感」のようなものは、女子校を訪れる都度感じるのである。
そういえば、今日の午後、例の共学化問題での意見聴取会がこの学校でも予定されていた。
◆定員割れ回避できるか
第2回進路希望調査における倍率は0.86倍。
おそらく過去最低。
人数でいうと、定員320人(募集318人)に対し、希望者272人であるから、ざっと50人ほど足りない。
調査時点から出願までどう動いているか、また、志願先変更でどう動くか。
予測は難しいわけだが、過去のデータからは五分五分である。
0.9倍台からだと1倍に到達する可能性は非常に高いのだが、0.8倍からだと届かないケースも多い。
現在の低倍率の原因には、「女子校だから嫌」というのもあるが、「難しそうだから嫌」というのもあるだろう。
「女子校だから嫌」の層は、今さら動かないので、可能性があるのは「難しそうだから嫌」の層である。
学校にとってそれがいいことかどうかは一概には言えないが、難しそうだから、無理そうだからと避けてきた層は、間違いなく一定程度戻ってくるだろう。
これだけ伝統があり実績がある学校を一部空席の状態にしておくのは、いかにももったいない。
最後にもう一つ。
いま現在、これほど苦境に立たされながら、よくぞ2年生向け説明会を開催したと思う。
普通なら、「今はそんな場合ではないだろう」となりそうなところだ。
足元を見ろ。
もっともだ。
だが、下を向いているだけじゃ道は開けない。
【追記】
見学会の模様は即日同校HPで報告されている。
このあたりぬかりはない。
第7回学校見学会 ご参加ありがとうございました
iPadで動画撮影している先生がいた。
せっかく撮っているのだからインスタなどSNSで速攻公開すればいいのに。
代わりに私が公開しておいた。
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