自民党・高市早苗総裁誕生。
少数与党だがおそらくこのまま首相に指名される。
そうすると我が国の憲政史上初の女性首相となる。
男だ女だと騒いではいけない時代なのだが、生きているうちに女性首相が見られて幸運である。
祝杯をあげたいところだが、よく考えたら私は酒を飲まない。
新総裁に選出された後、高市氏は次のように挨拶した。
「(前半省略)先ほど申し上げました通り、私は約束を守ります。全世代総力結集で、全員参加で頑張らなきゃ立て直せませんよ。だって、人数少ないですし、もう全員に働いていただきます。馬車馬のように働いていただきます。私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます。働いて働いて働いて働いて働いて参ります。皆様にもぜひとも日本のために、また自民党を立て直すために、沢山沢山、それぞれの専門分野でお仕事をしていただきますよう、心からお願いを申し上げます。そして、これから私はちゃんと謙虚にやってまいりますので、様々なご指導を賜りますようお願いを申し上げます。誠にありがとうございました」
さてさて、第一声からマスコミの皆さん向けにエサをまき散らすとはなんとサービス精神旺盛なのだろう。
「馬車馬のように働いていただきます」
「ワークライフバランスという言葉を捨てます」
無難に関係者への感謝の言葉程度にしておけばいいものを・・・
高市氏としては主に自分自身の覚悟を述べたのだろうが、これらの言葉、今トップが一番言ってはいけない言葉だ。
たとえば学校で。
新しく就任した校長が教職員に向かって、「先生方には馬車馬のように働いてもらう」「働き方改革が叫ばれる時代だが、私はワークライフバランスという言葉を捨てる。先生方もそのつもりで」と言ったらどうなるか。おそらく職員会議は修羅場と化すであろう。そして間違いなく翌日には新聞やテレビが取材にやって来る。下手をすれば謝罪会見。
もともと、マスコミ的には一番総理大臣になってほしくない人であるから、さっそく高市叩きが始まるだろう。
馬車馬のように働くとは、日本語としてもあまり良い響きではない。
昭和ならこれでもいいが令和にはそぐわない。
「精力的に働いてもらう」
「粉骨砕身、努力してもらう」
「全力で(フル回転で)働いてもらう」
などでも良かった。
ライフワークバランスは個人的にはあまり好きではない言葉だ。
と言うか、中小企業主には縁のない言葉。
ライフのことなんぞ考えていたら明日には会社がなくなっている。
ただ、だからどうでもいいんだというわけではなく、みんながライフとワークのバランスの取れた生き方ができるような世の中になって欲しいとは思う。
私の視界の中にいる人々、たとえば学校の管理職の先生方とか、募集広報に携わる先生方とかも、バランスは取れていないように見える。
実際にはちゃんと取れていて、私からは見えていないだけなのかもしれないが、ワークの方に大きく傾いているように見える。
だが、個人としてワークに大きく傾いている人がいないと、組織全体のバランスが保てない。メンバーの中にはライフに大きく傾いている人もいるからだ。
土日も出勤し、過労死ラインをはるかに超える残業をこなしている先生方、いつもご苦労様。

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