注目校の動向。全3回の2回目。
「定員の増減があった学校の倍率はどうか」
定員の増減は倍率変動の一つの要因となりうる。
普通に考えれば、定員増は倍率低下につながりやすく、定員減は倍率上昇につながりやすい。
令和8年度入試では、12校で計480人の募集減を行った。
ただし、新校の設置にともない2校で80人の募集増を行った。
差し引き400人の募集減である。
令和8年度の中学校卒業予定者(今の中学3年生)は、6万1423人と見込まれている。
これは前年度(令和7年度)の6万1923人より510人少ない。
(なお卒業予定者数の中には私立中学校も含まれる)
そこで、卒業生数が約500人減るので、公立高校の定員を全体で400人減らした。
要するに、公立高校の総定員は、中学校卒業予定者数とリンクしているのだ。
高校や塾の先生方はこの仕組みについては先刻ご承知であるが、もし中学生及び保護者の皆さんがこの記事をお読みになっているとしたら、まずこの仕組みと数字を頭においていただこう。
その上で。
来年度(令和9年度)の卒業予定者数がどれくらいかというと、ざっと5万6千人である。。
つまり、現在の中学2年生なのだが、この代は、現3年生に比べて1900人ほど少ない。
そうすると、県全体で1500人ほどの定員減をすることになる。
今年度は12校が定員減を行ったが、来年度はその3倍近い学校が定員減を行う計算となる。
では、本題に入ろう。
今年度は再編整備による定員増はあるが、それ以外はすべて定員減である。
学校名右側は定員の減少数。全て40人減である。
倍率と人数は、左側が今回、右側が前年同期。
●上尾橘(160人→120人)
0.30倍→0.36倍(+0.06)
48人→43人(-5人)
希望者の減少僅かだったため倍率はじゃっぁん上昇した。
●岩槻商業・商業(80人→40人)
0.47倍→1.03倍(+0.56)
37人→40人(+3)
希望者の増加は僅かだったが倍率は上昇し1倍を超えた。
●大宮武蔵野(240人→200人)
0.79倍→1.04倍(+0.25)
187人→206人(+19)
希望者数が増えたこともあり4年ぶりに1倍を超えた。
●小鹿野(120人→80人)
0.25倍→0.25倍(±0.00)
30人→20人(-10)
希望者が大きく減ったため倍率は変らなかった。
●桶川西(160人→120人)
0.49倍→0.76倍(+0.27)
78人→90人(+12)
1倍には届いていないが希望者が増え倍率も上昇した。
●川越西(320人→280人)
0.99倍→1.11倍(+0.12)
315人→308人(-7)
希望者は僅かに減ったが倍率は上昇し1倍を超えた。
●北本(160人→120人)
0.42倍→0.70倍(+0.28)
67人→83人(16)
1倍には届いていないが希望者が増え倍率も上昇した。
●熊谷(320人→280人)
0.96倍→0.96倍(±0.00)
304人→268人(-36)
希望者が大幅に減少したため倍率は変らず。
●熊谷女子(320人→280人)
0.82倍→0.91倍(+0.09)
261人→253人(-8)
希望者が減少したため倍率の上昇は僅かだった。
●草加西(280人→240人)
0.95倍→1.05倍(+0.10)
263人→250人(-13)
希望者はやや大きく減ったが倍率は上昇し1倍を超えた。
●蓮田松韻(200人→160人)
0.53倍→0.65倍(+0.12)
104人→103人(-1)
希望者はほぼ同じだったが倍率は上昇した。
●ふじみ野・普通(160人→120人)
0.66倍→0.92倍(+0.26)
104人→108人(+4)
1倍には届いていないが希望者がやや増え倍率も上昇した。
定員減した12校中、倍率が上がったのが10校、変わらなかったのが小鹿野と熊谷の2校。
倍率が上がった10校のうち、1倍を超えたのが岩槻商業、大宮武蔵野、川越西、草加西の4校。
まだ第1回なので最終的にどうなるかは分からないが、この時点で0.7~0.8倍台だと1倍に届かないケースがほとんどだ。0.91倍の熊谷女子、0.92倍のふじみ野・普通あたりは1倍を超える可能性がある。

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