昨日、岩槻高校で教員研修会があり講師を務めた。
このことは学校自身がホームページ上で公開済みなので、こちらも躊躇なく記事にできる。
【教員研修会】教育ジャーナリスト梅野氏来校
講演内容の詳細は非公開とするが、同校の生徒募集関係の現状だけ紹介しておこう。
▶SNSやホームページ、ユーチューブなどを通じた学校広報に熱心な学校だ。
▶インスタフォロワー数は県内公立トップの1万4千超え。公私合わせても花咲徳栄の1万5千超えについで第2位。
▶インスタでは生徒だけでなく先生も頻繁に登場する。職員室にカメラを持ち込んだ最初の学校。
▶今年第1回の進路希望調査では普通科倍率が1.37倍。前年同期と比較した上昇率では全県第3位。国際教養科倍率は0.98倍と惜しくも1倍に届かず(実人数では40人募集に対し39人なのであと1人)。
▶3年前から明らかに志願者の動きが変わった。それまで第1回は定員割れからスタートだったが、令和5年度から第1回が最高値で本番に向け徐々に低下する、人気校によくあるパターンへ。
◆フラッグシップという考え方
フラッグシップとは「旗艦」である。
司令官が乗船する船を表す軍用語。
転じて、現在では、ある製品シリーズの中の最上位かつ代表的モデルを「フラッグシップモデル」、チェーン展開する企業やブランドが中核と位置付ける代表的店舗を「フラッグシップショップ(旗艦店)」と呼んだりしている。
学校の生徒募集においてもフラッグシップという考え方があってもいいだろう。
その学校の理念、哲学、方針などを体現し、学校のブランドイメージ形成の役割を担う学科やコース(クラス)が、その学校のフラッグシップだ。
フラッグシップモデルやフラッグシップショップは、企業側が主体的に決定するものだ。
したがって、学校がいずれかの学科やコース(クラス)に、フラッグシップとしての役割を持たせるかどうかは、その各校の考え方次第だ。そんなものなくてもいい。
だが、昨日行った岩槻高校の場合などは、リニューアルオープンする「国際教養科」をフラッグシップとした戦いを展開したほうがいいだろう。
名前(校名)は知られていても、「では、どんな学校」と問われたら、ほとんどの人が答えられない学校。
そういう学校は多い。
岩槻高校もそのうちの一つだ。
ここは国際教養科を前面に出し、それにより学校イメージ(ブランドイメージ)を強固なものとし、普通科にもそのイメージを広げて行くのが得策だ。
私立だとこうした手法に抵抗はないのだが、公立高校は変に平等を重視する。特別扱いを嫌う。それはそうなんだが、これは募集戦略、募集マーケティングの話だ。入学後の学校生活において不平等があってはいけないなんて、当たり前の話じゃないか。

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