こちらYahoo!ニュースだが、出典はテレ玉ニュース。
県立高校の共学化めぐり 日吉亨教育長と意見交換/埼玉県

 まだやっていたのか意見交換会。
 男女別学を支持する高校生や保護者との意見交換ということだが、一種のガス抜きだな、これは。 
 県教委からすれば、「皆さんのご意見は十分お聞きしました」というアリバイ作り。
 「主体的に共学化を推進していく」と、もう結論が出ているわけだから、県教委としてはあとは手順を踏むだけ。

 何とひねくれた見方。

 そう思われるだろうが、たった3年間とは言え、別学校(男子校)で教育を受けるとこういう偏屈なものの見方しかできなくなる。
 だから共学にしないといけないのだ。
 と、教育長も仰っている。
 「仕事や日常生活など社会に出たら男女が協力するのは当然なので、学校教育でも男女が一緒に学ぶ共学校のほうが適していると考えている」(テレ玉ニュース記事より)。
 学校は世の中と同じ構造にしなければならない、そうしないと真っ当な人間が育たない と。
 まあ、必ずしもそうとは思わんが、埼玉県教委は少なくともそう考えていることは分かった。

 県立から別学校をなくすので、どうしても別学がいい人は県内外の私立に行ってもらうしかない。
 以前は授業料等学費の問題があり、経済的にゆとりがある家庭の子弟しか行けなかったが、授業料無償化により授業料の壁は取り払われた。どうぞ私立へ。と、心置きなく言える状況となった。
 ただ、この場合、事実上、都内中高一貫校に行けと言っているようなものだから、別学希望者は中学受験をしなければならない。
 中学受験を考える人が増えるのは、私立としては歓迎すべき状況である。

 県教委が共学化をスムーズに進めて行くためには、別学校のパワーを削って行くのが近道だ。
 パワーにはいろいろな意味があるが、一つには「数」、つまり「人数」のことがあるだろう。「人数=力(パワー)」と考えた場合、定員が減った熊高、熊女などはめいっぱい集めても「280人力」にしかならないので、かなりパワーが削られてしまったことになる。

 「360人力」の学校を2つ合わせて720人の1つの学校するのは、施設設備面を考えれば現実的ではないが、「280人力」の学校2つなら合わせて560人でやや現実味を帯びてくる。「240人力」が2つで480人なら十分に一つの学校としてやって行ける。現に、私が現役教員だった時代は「45人×10学級」、1学年450人の学校はいくらでもあった。

 というわけで別学校の「人数=パワー」を削れば、共学化反対の声もその分減るので、事が進めやすくなる。統廃合もしやすくなり一石二鳥。

 定員を減らすだけでなく、志願者を減らす作戦を実行すれば、ここでも「人数=パワー」を削ることができ、共学化推進をスピードアップできる。
 また、マスコミの協力を得て、ブランドイメージを毀損するような情報をできるだけ流し、イメージアップにつながる情報を極力おさえれば、志願者減につながり、これまたパワーを削ることになる。
 それとは別に教員人事の面からパワーを削いでいくことも考えられるが、今日は触れない。

 意見交換会に出席した高校生や保護者は、純粋な気持ちで別学維持を考えているのだろうが、どんなにすばらしい意見を述べても、所詮は交換、つまりお互い言いっ放しに過ぎないから、それが県教委の施策に取り入れられることはないってことだ。