今日の話題は下のグラフである。

 タイトルにあるように第2回進路希望調査における全日制全体と普通科及び専門学科の倍率推移である。
 先般、県から発表された資料には過去20年分のデータが掲載されていたが、市場全体の動向や入試制度が刻々変化していることだし、あまり昔の記録を持ち出しても意味がないだろう。10年分ぐらいで十分。と、思ったが、とりあえず今の受験生が生まれたあたりまでさかのぼってみた。

 全日制全体倍率(青のライン)を見ると、平成28年度に前年同期より若干上がっている。
 たが、平成29年度から令和3年度まで5年連続で下がっている。
 その後、横ばいとなり、令和6年度に僅かに上がるが、翌7年度は元に戻った。
 そして今年、前年同期より0.05ポイント下がった。このグラフにはないが、平成22年度から23年度にかけて、1.22から1.18と0.04ポイント下がった例があるが、それ以来の急降下だ。

 普通科倍率(オレンジのライン)を見ると、数字は異なるが波長は全体倍率とほぼ変わらないことが分かる。
 こちらも平成29年度から一貫して下がり、その後やや落ち着き、昨年度は前年同期を僅かに上回ったものの、今年は前年の1.21から1.14へと0.07ポイントの低下。
 グラフにはない平成22年度から23年度にかけて、0.08ポイント低下という異常事態があったが、それ以外は下がっても0.01か0.02という状態で、今回のような下がり方はここ15年、経験したことがない。

 専門学科倍率(緑のライン)もほぼ一貫して下がっている。 
 平成30年度の1.00倍を最後に、その後8年間、1倍を超えることはなく、今年はついに0.8倍台まで下がった。
 専門学科をさらに詳しく見てみると、ここ15年間、看護科(常盤のみ)、美術科(大宮光陵など)、理数科(大宮など)の3科は、第2回時点で定員を割ったことはない。
 外国語科もまずまずで、令和5年度の0.98倍と、今回の0.91倍以外は定員割れしていない。
 人文科(春日部東のみ)は、令和6年度に1.10倍を記録したが、それ以外はすべて定員割れ。
 体育科(大宮東とふじみ野)は、平成31年度から令和3年度にかけて3年連続定員割れしたが、その後持ち直し、ここ5年間は1倍を超えている。特に昨年度は1.30倍と過去20年間の最高倍率を記録している。
 福祉科(誠和福祉のみ)は、平成26年度から29年度まで4年連続1倍を超えていたが、以後12年間、1倍を超えていない。

 農業科、工業科、商業科、家庭科の4科が戦前から(というより明治時代から)ある伝統的な専門学科で、職業科などとも言われている。
 ここ15年間で1倍を超えたのは、農業科が7回、工業科が7回、商業科が1回、家庭科が12回である。
 家庭科が12回と突出しているのは、越谷総合技術と新座総合技術の食物調理が高倍率となるからである。
 商業科が最後に1倍を超えたのは14年前である。
 農業科では杉戸農業、工業科では川越工業などが全体を引き上げている。

 上昇や低下のタイミングは入試制度の変更と重なっていることが多いが、今年度は制度面での変化がないにも関わらず、大幅に低下している。世の中全体が右肩上がりの好景気であればいいが、じわじわと物価が上昇し、その一方で賃金は上がらないという経済状況の中で、私立授業料無償化がいかに大きかったかが分かる。