10月29日(木)午前、埼玉県教育委員会から「令和9年度(2027年度)埼玉県高校入試、第1回進路希望状況調査(10月1日現在)」の結果が発表された。
詳細データは県教委ホームページへ。
令和9年3月中学校等卒業予定者の進路希望状況調査(令和8年10月1日現在)
※中学生とその保護者の皆様へ
このブログが読者として想定しているのは、主に学校や塾などの先生方ですが、中学生やその保護者の方の目に触れることもあるかもしれません。そこでお願いしたいのは、この記事を読むだけで終わらせず、ぜひ元の情報(一次情報などと呼ばれます)を確認していただくことです。私がこの記事を書くにあたり参照したのは、埼玉県教育委員会のサイト、その中でも「埼玉県公立高等学校入学者選抜情報」に載っている資料(データ)です。
では、今日の記事。
第1回調査の結果を見ると、県内外の私立高校希望者や通信制高校の希望者の割合は引き続き上昇しているが、公立希望者の割合は低下している。
が、そのあたりの分析は後回しにして、多くの皆さんにとって一番の関心事であろう公立の倍率関係を見ておくことにしよう。
◆全日制全体の倍率
普通科・専門学科・総合学科を合わせた全体倍率は1.12倍で、前年同期(1.13倍)より0.01ポイント低下した。
令和に入り、2年度(1.21)、3年度(1.19)、4年度~6年度(1.18)、7年度(1.17)、8年度(1.13)と低下傾向は明らかだが、今回は40校1600人に及ぶ定員削減もあったためか、倍率低下は小幅だった。
◆学科別の倍率
カッコ内は前年同期倍率。
普通科 1.23倍(1.23)同率
専門学科 0.80倍(0.83)-0.03ポイント
総合学科 0.88倍(0.91)-0.03ポイント
普通科は前年同期と同率だが、専門学科と総合学科は共に0.03ポイント低下した。
専門学科ついてさらに詳しく見ると次のとおり。
カッコ内は前年同期倍率である。
農業 0.72倍(0.74)
工業 0.80倍(0.79)
情報 1.20倍(1.06)
商業 0.65倍(0.69)
家庭 1.09倍(1.04)
看護 0.99倍(1.38)
外国語 0.84倍(0.91)
美術 1.18倍(1.64)
音楽 0.68倍(0.72)
書道 0.68倍(0.35)
体育 1.15倍(1.14)
理数 1.30倍(1.31)
福祉 0.23倍(0.31)
人文 0.43倍(0.60)
国際関係 0.96倍(0.88)
映像芸術 1.08倍(1.00)
舞台芸術 0.55倍(1.03)
生物環境 1.19倍(1.20)
情報は令和8年度から新しくできた分類で「大宮科学技術高校・情報サイエンス科」のみである。学科の実習棟が新築されるなど施設設備面での環境整備も進んでいる。
国際関係も新しくできた分類で「岩槻高校・国際教養科」「秩父高校・国際教養科」「和光国際高校・国際科」の3校3学科。岩槻には国際文化、和光国際には外国語と母体となる学科があったが、普通科単独校だった秩父にはそれがなく苦戦しているようだ。
◆普通科倍率(1倍以上)
カッコ内左側は前年同期、右側が前々年同期の倍率である。
(▼印は40人の定員削減を実施する学校である)
市立川越 2.84倍(2.99・3.56)
市立浦和 2.82倍(2.75・2.78)
川口市立 2.70倍(3.01・3.21)
上尾 2.32倍(2.36・2.49)
大宮 2.24倍(2.29・1.93)
浦和西 2.06倍(2.08・2.13)
越谷南 2.04倍(2.12・2.33)
浦和南 1.82倍(1.96・2.27)
南稜 1.82倍(1.67・1.67)▼
大宮北 1.69倍(1.86・1.80)
越ヶ谷 1.68倍(1.70・1.74)
所沢西 1.67倍(1.30・1.47)▼
浦和東 1.67倍(1.26・1.56)▼
鳩ケ谷 1.63倍(1.73・1.91)
所沢北 1.61倍(1.55・1.53)
杉戸 1.61倍(1.69・1.71)
所沢 1.60倍(1.89・1.71)
入間向陽 1.58倍(1.32・1.30)▼
川越南 1.56倍(1.65・1.95)
大宮南 1.54倍(1.36・1.44)▼
川口市立 1.54倍(1.66・1.88)
(スポーツ科学)
浦和北 1.53倍(1.09・1.36)▼
蕨 1.53倍(1.47・1.77)
本庄 1.51倍(1.19・1.39)▼
朝霞西 1.48倍(1.25・1.25)▼
川口 1.48倍(1.50・1.50)▼
坂戸 1.47倍(1.28・1.26)▼
草加東 1.46倍(1.32・1.20)▼
不動岡 1.42倍(1.42・1.51)
大宮東 1.40倍(1.11・1.25)▼
川口東 1.40倍(1.01・1.08)▼
鷲宮 1.40倍(1.36・1.21)▼
鴻巣 1.40倍(1.16・1.32)▼
和光国際 1.39倍(1.55・1.40)
熊谷西 1.38倍(1.48・1.37)
坂戸西 1.33倍(1.18・1.10)▼
越谷北 1.33倍(1.42・1.43)
伊奈学園 1.33倍(1.33・1.46)▼
朝霞 1.29倍(1.17・1.46)▼
豊岡 1.28倍(1.24・1.10)▼
与野 1.28倍(1.05・1.31)▼
草加 1.26倍(1.17・1.21)▼
志木 1.25倍(1.16・1.58)
川越 1.24倍(1.39・1.52)
深谷第一 1.24倍(1.42・1.30)
大宮光陵 1.23倍(1.04・1.37)▼
ここまで普通科平均である1.23倍以上の学校
春日部 1.14倍(1.19・1.26)▼
浦和 1.12倍(1.10・1.50)
川越女子 1.12倍(1.24・1.19)
岩槻 1.09倍(1.37・1.20)
草加南 1.09倍(1.15・1.31)
越谷西 1.08倍(1.18・1.25)▼
春日部東 1.07倍(0.94・0.81)▼
飯能 1.05倍(0.73・0.97)
草加西 1.05倍(1.05・0.95)
ふじみ野 1.04倍(0.92・0.66)
浦和一女 1.02倍(1.08・1.25)
越谷東 1.01倍(1.15・1.05)
川越西 1.00倍(1.11・0.99)
以上が1.00倍以上の学校。
◆普通科倍率(1倍未満、いわゆる定員割れ)
川口北 0.97倍(1.04・1.38)▼
熊谷 0.94倍(0.96・0.96)
熊谷女子 0.92倍(0.91・0.82)
大宮武蔵野0.89倍(1.04・0.79)
桶川 0.88倍(0.83・0.83)▼
秩父 0.86倍(0.89・0.91)
庄和 0.84倍(1.06・0.90)
八潮フロンティア
0.84倍(0.96・1.38)
川口青陵 0.82倍(0.89・1.09)▼
新座柳瀬 0.81倍(0.92・0.76)
白岡 0.80倍(0.58・0.64)
松山女子 0.80倍(0.91・0.97)▼
春日部女子0.79倍(0.96・0.98)
狭山清陵 0.78倍(0.68・0.68)▼
松山 0.78倍(0.67・0.78)▼
上尾南 0.77倍(0.93・0.87)
川越初雁 0.76倍(0.53・0.63)▼
所沢中央 0.76倍(0.94・0.92)▼
松伏 0.72倍(0.77・0.92)
小川 0.71倍(0.72・1.00)
大宮光陵 0.68倍(0.93・0.70)
(外国語科コース)
三郷北 0.67倍(1.06・0.95)
深谷 0.65倍(0.85・0.81)▼
蓮田松韻 0.57倍(0.65・0.53)
鴻巣女子 0.54倍(0.53・0.58)
北本 0.53倍(0.70・0.42)
羽生第一 0.53倍(0.69・0.69)
新座 0.53倍(0.57・0.64)▼
久喜 0.51倍(0.67・0.85)▼
栗橋北彩 0.48倍(0.48・0.54)
日高 0.47倍(0.61・0.60)
上尾鷹の台0.45倍(0.68・0.89)
富士見 0.44倍(0.61・0.67)
三郷 0.44倍(0.44・0.44)▼
桶川西 0.44倍(0.76・0.49)
上尾橘 0.41倍(0.36・0.30)
日高 0.40倍(0.28・0.13)
(情報コース)
児玉 0.38倍(0.47・0.68)
鶴ヶ島清風0.36倍(0.49・0.51)
越生翔桜 0.36倍(0.41・0.53)
松伏 0.35倍(0.65・0.38)
(情報ビジネス)
宮代 0.33倍(0.63・0.72)
妻沼 0.21倍(0.28・0.45)
◆学校選択問題実施校の動向
再掲となるが、学校選択問題採用校に絞って倍率を見てみよう。
市立浦和 2.82倍(2.75・2.78)
川口市立 2.70倍(3.01・3.21)
大宮 2.24倍(2.29・1.93)
浦和西 2.06倍(2.08・2.13)
浦和南 1.82倍(1.96・2.27)
大宮北 1.69倍(1.86・1.80)
越ヶ谷 1.68倍(1.70・1.74)
所沢北 1.61倍(1.55・1.53)
所沢 1.60倍(1.89・1.71)
川越南 1.56倍(1.65・1.95)
川口市立 1.54倍(1.66・1.88)
(スポーツ科学)
蕨 1.53倍(1.47・1.77)
不動岡 1.42倍(1.42・1.51)
和光国際 1.39倍(1.55・1.40)
熊谷西 1.38倍(1.48・1.37)
越谷北 1.33倍(1.42・1.43)
川越 1.24倍(1.39・1.52)
ここまで普通科平均1.23倍以上
春日部 1.14倍(1.19・1.26)▼
浦和 1.12倍(1.10・1.50)
川越女子 1.12倍(1.24・1.19)
浦和一女 1.02倍(1.08・1.25)
ここまで1.00倍以上の学校。以下、1倍未満(定員割れ)の学校
川口北 0.97倍(1.04・1.38)▼
熊谷 0.94倍(0.96・0.96)
熊谷女子 0.92倍(0.91・0.82)
浦和は、第1回としては2年連続の1.1倍台。
浦和一女は、2年連続1.0倍台で第1回としては過去最低。
熊谷と熊谷女子は、第1回での定員割れは共に5年連続。
川口北は5年前の1.1倍を下回り、第1回としては過去最低。ただし、この段階での定員割れはほとんどの教育関係者にとって予想の範囲内だろう。
春日部は、この段階では県外生の数字は含まれない。希望者が前年同期の425人から364人へと61人減少しており、定員減が倍率上昇につながらなかった。
◆倍率が大きく上がった学校
前年同期と比べて、倍率が大きく上がったのは次の学校である。
(▼は定員削減の学校である)
浦和北 1.09→1.53 +0.44 ▼
浦和東 1.26→1.67 +0.41 ▼
川口東 1.01→1.40 +0.39 ▼
所沢西 1.30→1.67 +0.37 ▼
本庄 1.19→1.51 +0.32 ▼
飯能 0.73→1.05 +0.32
大宮東 1.11→1.40 +0.29 ▼
入間向陽 1.32→1.58 +0.26 ▼
鴻巣 1.16→1.40 +0.24 ▼
与野 1.05→1.28 +0.23 ▼
朝霞西 1.25→1.48 +0.23 ▼
川越初雁 0.53→0.76 +0.23 ▼
白岡 0.58→0.80 +0.22
昨年は、「+0.40ポイント以上」の学校は無く、「+0.30ポイント以上」が1校、「+0.20ポイント以上」の学校が6校だった。それと比較すると、大きく上がった学校がかなり多い。飯能と白岡以外は定員削減校なので、その効果が出ていると考えられる。
前年同期から0.15ポイント以上の上昇が見られたのが上記14校である。
最終的にどの程度の倍率に落ち着くかは分からないが、倍率が上昇していても1倍以下であれば競争は起こらない。したがって、これらを省くと大宮・所沢・岩槻・和光国際あたりが人気上昇校ないしは競争激化校と言えそうだ。
◆倍率が大きく下がった学校
前年同期と比べて、倍率が大きく下がったのは次の学校である。
三郷北 1.06→0.67 -0.39
桶川西 0.76→0.44 -0.32
川口市立 3.01→2.70 -0.31
松伏 0.65→0.35 -0.30
(情報ビジネス)
宮代 0.63→0.33 -0.30
所沢 1.89→1.60 -0.29
岩槻 1.37→1.09 -0.28
大宮光陵 0.93→0.68 -0.26
(外国語)
上尾鷹の台0.68→0.45 -0.23
庄和 1.06→0.84 -0.22
深谷 0.85→0.65 -0.20
前年同期は0.3ポイント以上の下落が見られた学校が10校あったが、今回は半減している。
川口市立や所沢は大きく下がったと言っても引き続き高倍率である。
◆私立への流れが加速
この調査では公立に目が行きがちだが、当然ながら私立希望の生徒もいるわけで、私立の集計も出ている。
県内私立希望者(内部進学含む)は、前年同期1万1499人に対し、今回調査では1万1531人で、その差はプラス36人だから、ほぼ前年同期と変わらない。ただ、割合としては前年比で0.6ポイント上昇している。また、県外希望者(都内私立など)も0.5ポイント上昇している。
これまでも徐々に私立志向は高まっていたが、2年目となった授業料無償化の後押しもあってか、私立希望者の割合は確実に上昇している。
以上、取り急ぎ普通科倍率を中心とした報告である。
引き続き専門学科等を含む分析結果等を掲載する予定である。
※お知らせ
明日、普段は読まない(買わない)新聞を読んでみようという方もいらっしゃるだろう。読売新聞埼玉県版を手にする機会がある方は、熊谷工業高校生による座談会記事(紙面上の扱いは広告)が掲載されているはずなので、ぜひご覧いただきたい。

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