茨城県教育委員会は、県立高校などの入試に光学的文字認識(OCR=Optical Character Reader)を利用した「デジタル採点」を導入する方針を明らかにした。
「茨城県立中高入試 デジタル採点導入へ 県教委、OCR使い」(茨城新聞クロスアイ)
OCRを使ったデジタル採点の導入は、都道府県教委では神奈川、東京に続き3例目だという。
茨城県では昨春、大量の採点ミスが見つかった。
おそらく、その対応策であろう。今春入試では出題方式(解答方式)を大幅に変更した。
早い話が、徹底した記号選択問題方式だ。
本ブログにおける関連記事↓
「採点ミス恐れ記述なくした茨城県公立入試、今度は出題と集計でミス」(令和4年3月17日付)
学校や塾の先生は日頃経験しているはずだが、たとえ記号や数字であっても、「それ、どうやって書いた?」というような、難解な文字(らしきもの)を書く者もいる。
ふだんならともかく、本番入試でそれはないでしょうと思われるかもしれないが、実際にいるのだ。
それらを含めて機械がどれだけ正確に読み取れるのか。
精度に若干の不安は残る。
だが認識技術は日々進化を遂げている。
機械にも、というか、機械だからこそ読み取れないケースも出て来ようが、そうしたケースを考慮に入れても、記号選択の採点は機械中心、人間(先生)は記述の採点に集中するという方法をとれば、採点ミスは減少し、採点時間は短縮されるだろう。
世の中全体の流れを見ても、いつまでも人力のみに頼る時代ではない。
おそらく埼玉を含め各県教委では、近未来の出題のあり方、採点のあり方等についてすでに研究を始めているものと思う。
将来的には「Computer Based Testing」も検討されることになるだろう。
むろんこれにはまだ相当時間がかかるわけだが、一人一台パソコンやタブレットを持つところまで来ているので、それほど遠い未来の話でもないだろう。
解答即採点・集計となるわけだから大幅な時短になる。
さしあたりはデジタル採点である。
導入するなら大量の採点ミスが発見される前である。
ミスは絶えず起きている。
ただそれが発見されていないだけだ。
そう考えたほうがいい。
だから、何かのきっかけで発見され、糾弾され、追い込まれて導入するのではなく、先手を打って導入する。
対策を迫られてから検討するのでは、時間的にも精神的にも余裕がなく、中途半端な導入に終わる。
よって、大量の採点ミスがまだ見つかっていない今のうちに、検討・研究し、時間的・精神的に余裕のある中で試行し、導入する。
そのようにお願いしたい。
【余談】関東地方は雨の連休初日となった。まあ、どこにも出かける予定のない自分には関係ない話だが。
コメントを残す