本題に入る前に報告しておこう。
 ついに飯能高校の校長情報が更新された。
 新年度が始まって1か月以上かかった。
 これで校長が替わったにもかかわらず、HPが前校長のままであるのは所沢北一校となった(桶川西、越谷西は古い情報は消してあるが、新しい情報の掲載がない)。
 所沢北の校長がいつ替わるか、みんなで注目しよう。

 さて、本題である。
 本日(5月13日)は午前中に新座総合技術高校、午後に大宮工業高校を取材訪問した。
 一度にはレポートできないので、今日はまず新座総合技術高校訪問記である。

 行ったことがない方のために簡単に場所を説明しておくと、新座総合技術は、校門を出て200mも行くと練馬区大泉学園町である。
 すぐ隣が陸上自衛隊朝霞駐屯地である。
 広大な駐屯地や訓練場に阻まれているが、それがなければ朝霞高校や和光国際と隣り合わせである。
 なお、朝霞駐屯地は朝霞と言いながら、住所は東京都練馬区大泉学園町である。
  
◆新しいタイプの専門高校
 新座総合技術は、昭和58年(1983年)の創立だ。
 昭和40年代の後半から50年代にかけては、生徒激増期であったため年に5,6校ペースで次々と普通科校が作られた。
 かつて私が勤務していた川口北や大宮南もそうした新設校の一員であった。

 50年代後半以降になると新設ブームも一段落し、年1ペースくらいに落ち着いた。
 そして、ただ普通科を作るだけでなく、新しいタイプの専門高校や、普通科と専門学科を併設した複合型の学校も作られるようになった。
 
 昭和58年 新座総合技術
 昭和59年 伊奈学園総合
 昭和60年 三郷工業技術
 昭和61年 大宮光陵 越谷総合技術
 昭和62年 和光国際 久喜北陽
 昭和63年 鳩ヶ谷
 ざっとこんな具合だ。
 普通科量産時代を経て、特色ある学校づくりに転じたのであろう。

 伊奈学園は普通科だが総合選択制。
 大宮光陵は普通科+芸術系専門学科
 和光国際は普通科+外国語科+情報処理科(今はない)
 鳩ヶ谷は普通科+農業系専門学科+商業系専門学科

◆一言で説明しにくい学校
 新座総合技術の学科構成は次のとおりだ。
 ▽工業系 電子機械科
      情報技術科
      デザイン科
 ▽商業系 総合ビジネス科
 ▽家庭系 服飾デザイン科
      食物調理科
 それまでも「農工」とか「商工」といった学校はあったが、三つの専門分野にまたがる新たな総合的専門高校としてスタートを切ったのである。 
 なお、これとほぼ同じ構成なのが3年後にできた越谷総合技術である。
 新座にあって越谷にないのはデザイン科。
 新座の商業系は総合ビジネスだけだが、越谷には流通経済と情報処理がある。
 それ以外は二校共通。

 複数の分野にまたがる学校は、大学では当たり前だが、高校ではそれほど多くない。
 そういう意味で、学校の特色にはなり得るのだが、一方で学校の統一的なイメージが形成しにくいという弱点もある。
 「工業高校、商業高校なら分かるが、総合高校って何よ?」
 中学生にとってはよく分からない学校であり、中学校の先生や塾の先生にとっては説明しにくい学校である。

 詳しく語れば切りがないが、とりあえず一言で言ったらこんな学校。
 生徒募集にあたっては、こうした課題をクリアすべきなのではないかと思う。

◆コンビニと提携、食物調理科
 今日の主目的は、ミニストップと提携し、商品開発をめざす食物調理科を取材することだった。
 ただし、話を聞いてみると、まだ緒に就いたばかりで具体的な活動はこれからということなので、本格的取材はまた別の機会にということになった。
 いずれコンビニ店頭に高校生が開発したお弁当みたいなものが並ぶことになるだろうから、その時にまた取材しよう。
 今日は、その他の学科も含めて見学させてもらった。

 食物調理科では日本料理の実習に取り組んでいた。
 1年次は調理の基礎技術習得が中心で、上級生になると日本料理、西洋料理、中国料理と専門化して行く。
 今日の実習は、鯵の叩きがメインの和食メニューだ。

 普通科の家庭科調理実習だと、わいわいがやがや楽しそうだが、さすがプロの料理人を目指す子たちのだから、文字通り一味も二味も違う。
 教室から聞こえてくるのは歓声ではなく、油のはねる音やまな板を叩く音だけである。

 会話が禁止されているわけではないだろうが、みな黙々と料理と向き合っている。
 ただ、誤解ないように言っておくが、決して表情が暗いというわけではない。
 むしろ生き生きとしている。
 無駄口を叩いているような子はいないということだ。

 この後、デザイン科の授業も見学したが、その話はまた別の機会に紹介することにしよう。