今週末から高校野球、夏の甲子園大会が始まる。
 正式には「第104回全国高校野球選手権大会」。
 出場は49校。
 北海道と東京が2代表なので都道府県数より2つ多い。

 野球のことはそれほど詳しくないので、別視点から出場校を眺めてみる。
 なお、参考にしたデータはこちら。
 【一覧】甲子園出場49校完全データ 戦力評価、部員数、主な卒業生付き(日刊スポーツ)

◆生徒数の多い学校
01 仙台育英(宮城)  3996人
02 横浜(神奈川)   2142人
03 愛工大名電(愛知) 1997人
04 大阪桐蔭(大阪)  1896人
05 日大三島(静岡)  1861人

06 三重(三重)    1721人
07 九州国際大付(福岡)1669人
08 星稜(石川)    1628人
09 鹿児島実業(鹿児島)1401人
10 國學院栃木(栃木) 1254人
11 天理(奈良)    1253人

 トップは仙台育英。
 2位横浜とは1800人以上の大差。
 単純計算すると3学年で100クラス。
 先生も常勤・非常勤合わせれば300人くらいになりそう。
 今回、もし浦和学院(2458人)が出場していれば、仙台育英に次ぐ規模だった。聖望学園(853人)は多くもなく少なくもなくといったところ。

◆生徒数の少ない学校
40 聖光学院(福島)591人
41 高岡商業(富山)586人
42 浜田(島根)  544人
43 旭川大(北北海道)517人
44 有田工業(佐賀)495人
45 鳥取商業(鳥取)470人
46 一関学院(岩手)358人
47 下関国際(山口)298人
48 帝京第五(愛媛)251人
49 京都国際(京都)138人

 昨年ベスト4で今回も優勝候補にあがっている京都国際が最少人数とは意外だ。
 全校生徒138人中、男子は72人、そのうち野球部員は62人とあるから、男子はほぼ全員が野球部ということになる。
 これはかなり特殊なケースだろう。
 そこで、次に部員数を調べてみる。

◆部員数の多い学校
01 八戸学院光星(青森)174人
02 佐久長聖(長野)  148人
03 明徳義塾(高知)  134人
04 興南(沖縄)    119人
05 日本文理(新潟)  115人
06 聖光学院(福島)  110人
07 鶴岡東(山形)   105人
08 近江(滋賀)    104人
09 明秀学園日立(茨城)102人
09 市立船橋(千葉)  102人

 100人を超える大所帯がもっとあるかと思ったが、9校だけ。
 埼玉県では、花咲徳栄(133人)、川越東(132人)、春日部共栄(119人)、浦和学院(99人)、西武台(99人)など、強豪校は概ね大所帯である。(人数は埼玉新聞高校野球特集による)
 甲子園のベンチ入り人数は18人であるから、100人を超えるような大所帯となると、仮に全国に駒を進めてもスタンドでの応援要員になる子が多い。
 素人的には、別の学校に行けばレギュラーになれるだろうとか、別の競技で全国を目指す手もあるだろうとか思ってしまうが、本人満足しているなら、傍でとやかく言っても仕方ない。

◆部員数の少ない学校
37 二松学舎大付(東東京)65人
38 大阪桐蔭(大阪)  64人
39 京都国際(京都)  62人
39 九州国際大付(福岡)62人
41 愛工大名電(愛知) 57人
42 鳴門(徳島)    54人
43 能代松陽(秋田)  52人
44 鳥取商業(鳥取)  50人
44 富島(宮崎)    50人
46 帝京第五(愛媛)  43人
47 智弁和歌山(和歌山)40人
48 有田工業(佐賀)  39人   
49 浜田(島根)    37人

 鳴門・能代松陽・鳥取商業・富島・有田工業・浜田は公立なので、こんなものかと思う。

 優勝候補に名前のあがる大阪桐蔭、京都国際、智弁和歌山、九州国際大付あたりが、少ない方のベスト10に入っているのは意外だ。
 前述のように京都国際は全校生徒の45%、男子の86.1%が野球部員だ。

 一方、大阪桐蔭の野球部員は全校生徒(1896人)の3.4%、男子(850人)の6.1%に過ぎない。お時間のある方はぜひ大阪桐蔭のHPを見てもらいたいが、ほとんどの学校がトップページで「甲子園出場」を大々的に謳っているのに対し、この学校は一行も一言も触れていない。ニュースの更新頻度がきわめて低い学校のようだが、それにしても・・・。
 男女バスケなどがインターハイ出場しているし、吹奏楽部も全国レベル。大学進学も東大こそ出ていないが、京大28人・大阪大31人・神戸大27人で国公立現浪合計は189人。野球だけの学校じゃないということか。

 智弁和歌山の野球部員は全校生徒(770人)の5.2%、男子(310人)の12.9%と、こちらも決して多くない。大学進学では東大7人、京大9人、大阪大14人、国公立合計140人で、バリバリの進学校といった趣だ。 
 
 まあ実際のところ、文武両道ならぬ文武分業(文武別道)による結果なのだと思うが、学校経営(生徒募集)の視点からは、必ずしも「野球部頼み」になっていないという意味で、一つの到達点と言えるかもしれない。

 今回、公立が11校(県立10校、市立1校)が出場しているが、これらについては次回見て行こうと思う。