埼玉県教育局から、教員採用試験の結果が発表されたので、一応目を通しておこう。

令和5年度実施(令和6年度採用)の埼玉県公立学校教員採用選考試験の結果等について

 試験結果の詳細はこちら。
中学校・高校の教科別結果など

 1次受験者数は、前年の5391人から333人減少し、5058人だった。
 5000人切り目前。
 3年前(令和2年度)は、たしか6000人を超えていたと思う。
 この減少を何んとか食い止めなければなるまい。

 ◆小学校 1547→1399 9.6%減 
 ◆中学校 1760→1647 6.4%減
 ◆高校  1278→1247 2.4%減
 小、中、高の順に減少率が大きい。

 次に1次試験合格率を見ておこう。
 1次合格者/1次受験者
 ◆小学校 1306/1399
      合格率 93.4%
      倍率  1.07
 ◆中学校 883/1647
      合格率 53.6%
      倍率  1.87倍
 ◆高校  644/1247
      合格率 51.6%
      倍率  1.94倍
 小学校の1次合格率93.4%はかなり高い。倍率で言えば1.07倍の低倍率。とりあえず1次はだいたい受かる。

 最後に最終合格数と倍率を見ておこう。
 最終合格者/1次受験者
 ◆小学校 719/1399
      倍率 1.9倍
 ◆中学校 453/1647
      倍率 3.6倍
 ◆高校  307/1247
      倍率 4.1倍
 倍率だけを見れば、小学校は0.1ポイント、高校は0.5ポイント上がり、中学校は0.1ポイント下がっている。
 倍率は採用見込み数(≒最終合格者数)にも左右されるが、5~6年前までは小学校で3倍超え、中学校・高校で5倍超えは当たり前だったから、受かりやす試験になっていることが分かる。

 先の内閣改造で新たに文部科学大臣に就任した盛山正仁氏が、発言の切り取りという面はあるにせよ「(教員不足対策に)名案はない」などと言ってしまうお寒い状況ではあるが、志願者(受験者)の減少は、質の低下につながる可能性が高いので、名案が無いなどと言っている場合ではない。

 教員不足についてはマスコミが煽り過ぎという面もあって、学校や学校制度が崩壊するほどの危機的状況ではないと思うが、だとすれば、今が勝負の分かれ道だ。改革に文句を付ける人が少ない状況は、長年の懸案を解決する絶好の機会とも言える。
 給与、勤務条件、職場環境、業務内容等々、議論が沸騰している今が改革のチャンスだ。