私は文章の中であまり外国語(英語)を使わないほうだと思っている。
まず英語を知らないというのがある。勉強が足りなかったのだ。それと、時代の波に乗り遅れているというのもある。年は争えないね。
しかし、一番の理由は、日本語で十分伝わることは、変にカッコつけて英語(カタカナ語)で言わなくていいんじゃないかという考え方を持っているからだ。
一時期、広告業界に身を置いたこともあるから、まあ、使う側の気持ちは分かる。
その方がカッコよく聞こえる。
新しそうに聞こえる。
高級そうに聞こえる。
いま教育界では、「アクティブラーニング」、「ICT教育」、「グローバル教育(人材)」、「キャリア教育」あたりが全盛かな。各校の学校案内やホームページを見れば、他にもゾロゾロ出てくる。
言葉なんて好き勝手に使えばいいわけだが、大事なのはお客様視点だ。高校受験で言えば中学生視点。つまり、中学生が分かる言葉で表現しようということだ。
「今度のオープンスクールでは、ミニ説明会も行います。それとスクールランチ試食会もね」
日本語訳。
「今度の学校開放日には、短時間の説明会と学食の試食会があります」
さてどっち。
やっぱりオープンスクールの方が楽しそうかな。ミニの方が気軽な感じ。スクールランチのほうが旨そう。
だったら、それもいいか。
じゃあ、これはどうだ。
「アフタースクールは、セルフスタディルームで思う存分学習。チューターもスタンバイ」
これは作り過ぎだが、一応日本語訳してみる。
「放課後は自習室で思う存分学習。大学生の指導員もついています」
つまり、言いたいのは、こういうことです。
実体は同じだが、日本語よりもカタカナを使ったほうが斬新で高級に聞こえる。そういう思い込みから、中学生や保護者に伝わりづらい言葉を使ってしまう。
まさか難解な言葉で煙に巻こうなんて思ってるわけじゃないですね。だったら、英語にしても漢語にしても、「これで本当に伝わるかしら」ということを、もう一度吟味したほうがいいんじゃないですか。というお話。
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