岩倉高校の塾説明会に行く。高崎線事故の影響により尾久駅で10分以上停車。が、30分の余裕をみておいたので開始時間に遅れることはなかった。それに、この学校は橋や地下道で上野駅と繋いでしまえばというほどの至近距離にあるので、その点でも安心して行ける。

 いつもは体育館を使用しているが、今日はやや手狭な、ラウンジ兼教室みたいなところで行われた。
 「申し訳ありませんが、体育館は、授業を優先させていただきました」
 うん。雨天が続いているし、それでいいと思うよ。
 どっちか迷ったら、授業優先、生徒優先。そこを理解してくれない塾からは生徒送ってもらわなくていい。が、心配無用。集まった人たちも先生なんだから、そこは分かる。
 
 ある学校の説明会(生徒・保護者向け)で、こんなことがあった。
 説明会終了後。
 「校内見学はご自由にどうぞ。授業は教室に入ってご覧いただいて結構です」。
 私は好きだよ、このパターン。

 ところが、事後のアンケートにこんなクレームが。
 「どうして案内してくれないんですか。不親切だと思います」。

 えっ、「ご自由に」は親切じゃないの?
 ガイドまでつけなきゃいけないって、一体、あんたは何様だ。
 と、他人事ながらムッと来たが、ここで一旦冷静になって考えてみる。クレームには必ずヒントがある

 私たちは専門家だから、多少複雑な作りをした学校でも、案内図一枚もらえれば、迷うことはない。トイレはたぶんこの辺だな、とか。
 廊下を歩きながら、黒板を一瞬見れば、何年生の何の教科かさえも分かる。授業のレベルも分かっちゃう。

 だが、素人目線で考えてみると、学校は意外と分かりにくい場所かもしれない。駅みたいに案内板がたくさんあるわけじゃないし。
 だから、「ご自由に」と放っぽりだされると、どっちに行っていいか分からない。帰り道も分からない。そういう人だっているかもしれない。なるほど、そう考えると、必ずしも「ご自由に」は親切ではないってことになる。

 学校に行くと、よく「→事務室」なんて看板を見かける。
 「→体育館」、「→2号館」。で、受付はどこなの?
 だからさ、受付は事務室に決まってるじゃない。
 というのは、学校側の常識であって、「→来校者受付」とか「→お客さま玄関」とか書いてくれないと分からない人もいるわけだ。

 「ご自由に」がいいのか、「ご案内します」がいいのかは、何とも言えないが、いろんなことを素人目線、お客様目線で見直してみることが必要だ。そんなんで学校が誤解されたらつまらんよ。