モンスターペアレントというのも困ったものだが、学校はモンスターファンにも対応しなきゃならんのか。
 高校野球岩手県大会。大船渡高校はエース佐々木朗希投手を出場させず敗退したわけだが、これに対し、「なぜ、投げさせなかった」という苦情電話が学校に殺到したというのだ。冗談じゃない。部活の作戦や采配にいちいち答えられるか。

 今回は佐々木投手の注目度が高かったこともあり苦情電話の件が報道され、私たちの知るところとなったが、この手のクレーマーはあちこちに出没しているのかもしれない。先生方、大変だね。

 監督の采配や選手のプレーに、あれこれ意見を述べるのは別に構わないですよ。プロ野球であれ高校野球であれ、あるいは他のスポーツであれ。
 でも、今回の件で言えば、プロとアマというところにしっかりと線を引いておかなければならない。それが分からないバカ者が学校にまで苦情電話を入れてしまう。

 高校生は観客から金をもらってプレーを見せているわけではない。たしかに入場料は取られるが、それが選手や監督の懐に入るわけではない。監督も選手もアマチュアだ。ただ野球が好きだからやっている。自分のためにやっている。いわば趣味の世界だ。

 その点プロは、観客に見せるためにやっている。それで収入を得ている。アホな采配やクソなプレーを見せられたら、「ふざけんな、金返せ」と言ってもいい。返してくれないけど。

 大船渡の監督は、野球で給料もらってるわけじゃなく先生として授業をやることで給料をもらっているただの公務員。数年経ったらまた別の学校で監督しているかもしれない。そういう人を相手に、自分の気に入らない采配をしたからって、苦情の電話まで入れるのは、入れる方がバカなんだよ。
 私が学校の先生だったら、ご住所・お名前・お電話番号をお聞きして苦情の内容とともに公開してやるけどね。業務妨害罪で告訴してやってもいい。