中学生向けに受験アドバイスを書いたり、受験に関する講演を行っている身なので、「部活で高校を選んでもいいのですか」というような質問に出くわすことがある。
 とりあえずの私の答は、「部活で選んでもいいと思いますよ」である。

 保護者の方からすれば、うちの子のそういう考えは否定して欲しいところかもしれないが、「友達が行くから」とか「家から近いから」とか「今の成績で入れるから」などに比べれば、だいぶましなんじゃないかと思う。
 少なくとも、毎日学校に通う動機があるのだからそれでいいじゃないか。
 学校というところは、動機はともあれ、毎日来ていれば、いろんな経験もできるし、それなりに成長につながるものなんだよ。いやいやであっても読んだり書いたり、考えたりしていれば知識だって少しずつ増えるし。

 であるから、部活が動機とか、部活が理由とかを頭から否定することはしない。
 大人でもそうだが、最初から「その考えは間違っている」と否定されたら、良好な関係は築けない。
 まずは肯定から入ろう。
「なるほど、それもいいんじゃないかな。どうせなら全国目指して頑張ってみてよ。そこまで行かなくても県大会ぐらいは・・・。それが無理でも友達たくさんできればそれも楽しいし」。

 で、問題はその先なのだが、第一の理由は部活でいいとして、第二、第三の理由を問うてみよう。
 途中で気が変わったり目標を見失ったりするかもしれないし、怪我や病気で続けられなくなるかもしれない。顧問が異動で替わってしまうかもしれない。人間関係がうまく行かなるかもしれない。
 誰でもそうなのだが、高校に入ると、中学時代には想像しなかったことが起こる。だから、念のため、第二、第三の理由も考えておこう。
 「野球をやりたい。それに資格取得に強い。学校の雰囲気も落ち着いているし、通学もしやすい」。
 一点突破よりも「複数の理由で支えられている状態」のほうが学校生活は安定する。

 「部活だけ」で選ぶことはリスクであるが、「部活で選ぶ」こと自体は直ちに否定されるものではない。
 ということであれば、生徒募集活動の一環として、部活動体験(見学)などが積極的に行われることは問題はない。どころか、もっと盛んに行われてもいいとさえ思っている。