受験勉強の手順の話なんだが、教科書を読むのが先か、問題集を解くのが先か。まあ普通に考えれば、まず教科書や参考書を読み、内容をしっかり理解し記憶したのちに、問題集で成果を確かめるという手順になろう。

 インプットとアウトプットという言い方があるが、教科書や参考書を読み知識を頭に入れるのがインプットであり、問題集をやるのがアウトプットだ。両方を短期間に繰り返せば、知識は揺るぎないものとなるだろう。
 
 私は受験生ではないが、仕事として文章を書き、仕事として人前で喋る。
 書いたり話したりするためには、いま現在頭の中に入っている知識だけでは不足なので、新たなインプットが必要になる。

 さあインプットだ。
 だが闇雲にインプットをするのはどうも効率的ではない。なにせ先が短い身であるから急がなければならない。ムダは極力排除しなければならない。
 そこで、どんな話をするか、どんなことを書くかというアウトプットのイメージ化を先行させる。つまりストーリーとかシナリオを大雑把でもいいから作ってみる。しかる後にインプットである。

 こうすると、だいぶガタが来た脳みそでも結構すらすらと知識が入って来るものだ。
 ふだん本を読んでいると、読む傍から忘れて行くのだが、そうはならない。
 「アウトプット前提のインプット作戦」だ。

 さて、ここで受験勉強の話に戻る。
 先に問題集である。
 解けない部分は何かが不足しているのである。じゃあ、その何かをインプットすればいいじゃないかと教科書や参考書を見る。これが正に「アウトプット前提のインプット作戦」である。使う場面や使われ方がイメージされているから吸収率が高い。

 と、偉そうに書いているが、こんなことは新発見でも何でもない。多少オリジナリティがあるとすれば「アウトプット前提のインプット作戦」と名付けたことぐらいだろう。それだって、私が知らないだけで、とうの昔に誰かが言っているだろう。いや、絶対に言っている。

 念のために「アウトプット前提のインプット」でGoogle検索してみる。
 なんだ、やっぱりあるじゃないか。先に検索かけてからこの話書けばよかった。しかしこれで、アウトプット前提のインプットがなかなか強力であることが、私だけの思い込みでないと分かった。がんがん問題集やろうぜ。