埼玉新聞主催「新年賀詞交換会」(豊かな埼玉をつくる県民の集い)に出席。会場は、さいたま市内の二大ホテルであるロイヤルパインズ浦和とパレスホテル大宮が交互に使われているが、今年は大宮の番だ。
 ちなみに会費は1万5千円。ほとんど飲み食いせず、延々人の挨拶を聞くだけでこの金額かよと思うが、みんな仕事上の付き合いで来ているわけだからね。こんなもんだろう。

 埼玉県知事、さいたま市長、県議会議長など、主に政治家が挨拶するわけだが、これが揃いも揃ってつまらん。かれかにとってある意味、スピーチは商売道具のはずだが、退屈な挨拶の見本みたいなのが続くのはなぜなのか。
 というようなことを考えながら聞いていると、時間が経つのもあっという間だ。

 答え。
 かれらは本気を出していない
 下世話な言い方をすれば、票にならない場面では本気を出さない、サービスしないということだ。
 一生懸命スピーチしているにも関わらず詰まらないのではなく、最初からわざと当たり障りのない、どうでもいい話をしているのだ。
 別に、この場で受けなくたっていいもんね。
 これだ。

 政治家の皆さんは、1月から2月にかけて、あちこちの新年会を飛び回るわけで、特に今の時期は1日に3か所も4か所も掛け持ちしなければならない。顔を出すのが仕事なのだ。いちいちスピーチ原稿など書いていられない。聞く側だって「早く、終わんねえかな」としか思っていない。そんな場面で本気出せるかって話だ。
 
 大野元裕県知事だって、去年の知事選のことでもちょこっと触れればドッと来るのは分かっているはずなのに知事選のチの字も口にしない。立憲民主党のエダノン(枝野幸男代表)だって、国民民主党との合流話にちょっとでも言及すれば、大いに受けるのは分かっていても国民民主のコに字も玉木のタの字も出さない。場をわきまえてるね。

 ということで、つまんねえ話を右から左へと流しながら、こいつらやっぱりプロだなと妙に感心したのであった。