本日、埼玉県公立高校入試、入学許可候補者の発表が行われた。
県教委から「入学許可候補者数・欠員補充人員」が発表されている。
【注:本記事は2020年度(令和2年度)入試」に関するものです】
1月26日付の本ブログで、「ここ数年来のように積極的に定員以上を合格させることはしないのかもしれない」と書いたが、ほぼその通りで、募集人員より若干多いという程度の発表になったようである。
これについての数字は明日にして、今日は、理数科と外国語科の受験者が第二希望で普通科を書いた場合、どれくらい合格しているかを調べてみた。
◆理数科から何人が第二希望で普通科に合格したか
理数科を擁する学校の場合、理数科の方が普通科より合格ラインが高いと推測される。したがって、理数科受験者が第二希望で普通科を書いた場合、理数科がダメでも普通科で拾われる可能性がある。
という仮定のもと、その人数を調べてみた。
大宮 (理)受験77人 (理)合格41人 (普)合格20人
熊谷西 (理)受験45人 (理)合格40人 (普)合格1人
越谷北 (理)受験51人 (理)合格40人 (普)合格4人
所沢北 (理)受験62人 (理)合格40人 (普)合格13人
松山 (理)受験69人 (理)合格40人 (普)合格26人
大宮北 (理)受験81人 (理)合格41人 (普)合格26人
川口市立(理)受験57人 (理)合格40人 (普)合格10人
たとえば大宮の場合、理数科受験者77人のうち41人が理数科で合格。第二希望で普通科に合格したのが20人。よって、どちらも不合格だった理数科受験者は(77-41-20)で16人ということになる。
上の数字をもとに①第一希望による理数科合格、②第二希望による普通科合格、③どちらも不合格の割合を調べ、③どちらも不合格の割合が高い順に並べると次の通りだ。
大宮 ①53.2% ②26.0% ③20.8%
大宮北 ①50.6% ②32.1% ③17.3%
所沢北 ①64.5% ②21.0% ③14.5%
越谷北 ①78.4% ② 7.8% ③13.7%
川口市立①70.2% ②17.5% ③12.3%
熊谷西 ①88.9% ② 2.2% ③ 8.9%
松山 ①58.0% ②37.7% ③ 4.3%
やはり大宮あたりになると普通科の難易度も高いため(レベルも倍率も高い)、どちらも不合格になった受験生は多い。熊谷西は理数科自体の倍率がもともと低いこともあり、どちらも不合格になった受験生は少ない。松山は理数科の倍率はそこそこ高かったが、普通科で救われた受験生が多く、どちらも不合格になった受験生は少ない。というように、それぞれの学校で特徴があるようだ。
◆外国語科から何人が第二希望で普通科に合格したか
理数科の場合、各学校とも難易度は普通科を上回っていると考えていいのだが、外国語科の場合は、必ずしもそれが当てはまらない。
春日部女子 (外)受験56人 (外)合格41人 (普)合格13人
越谷南 (外)受験43人 (外)合格40人 (普)合格0人
坂戸 (外)受験45人 (外)合格40人 (普)合格0人
草加南 (外)受験42人 (外)合格41人 (普)合格0人
南稜 (外)受験56人 (外)合格41人 (普)合格8人
不動岡 (外)受験41人 (外)合格40人 (普)合格0人
和光国際 (外)受験112人 (外)合格79人 (普)合格11人
蕨 (外)受験60人 (外)合格40人 (普)合格0人
先ほどと同様、①第一希望による外国語科合格、②第二希望による普通科合格、③どちらも不合格で、③どちらも不合格の割合が高い順に並べると次のとおりだ。
蕨 ①66.7% ② 0.0% ③33.3%
和光国際 ①70.5% ② 9.8% ③19.6%
南稜 ①73.2% ②14.3% ③12.5%
坂戸 ①88.9% ② 0.0% ③11.1%
越谷南 ①93.0% ② 0.0% ③ 7.0%
春日部女子 ①73.2% ②23.2% ③ 3.6%
蕨、坂戸、越谷南は、第二希望による普通科合格はゼロだった。(追記:蕨は第2希望を認めていない)
なお、草加南と不動岡は、「普通科→外国語科」という現象が起きており、草加南は普通科から7人が、不動岡は8人が、第二希望で外国語科に合格していた。「外国語科→普通科」という流れが起きたのは、8校中3校(和光国際・南稜・春日部女子)だった。
以上のデータをどのように取ったかを記しておくと、参照者元は各学校のHPである。どの学校も、学科ごとに受験番号を振っている。例えば、普通科は1000番台、理数科は2000番台という具合だ。よって、このような場合であれば、普通科合格者の中に2000番台があれば、本来は理数科希望者だったと分かる。
他の専門学科校の場合は、一つの学校に4つも5つもあったりするので、どういう流れが起きていたかを確かめるのに手間がかかる。
本日はここまで。
2020-03-10 at 15:31
貴重なデータを有難うございます。自分でも、身近な高校については分析をしていましたが、こうやってまとめてもらえると助かります。第一次選抜内に入っていないと、見た目の倍率以上に苦しくなるケースがあることがよく分かります。浦和商業では、商業科がほぼ1倍でしたが、情報処理科の倍率が高いため意外と安心できない所がありますが、保護者や生徒は知らないケースが大半で、説明をすると驚かれることがあります。他には伊奈学園総合の選抜方法が今一つ不透明です。選抜基準通りに行うと、語学や人文などの各系の人数に偏りが出るような気がして、クラス編成がうまくいくのかという疑問があります。