昔教員だったころの話だが、勉強合宿みたいな行事があった。公立高校だってこのくらいはやるんだよ。
朝から晩まで勉強する。睡眠時間や食事などの生活時間を除いて一日10時間以上。テレビも見ない。スマホは・・当時はなかった。
こんな生活は普段はできないが、家を離れ学校を離れ、非日常的空間に身をおくとこれが案外できてしまう。
終わった後の感想は、「こんなに勉強やったの初めて」、「自分もやれば出来ると自信になった」、「家に戻ってもこの気持ちを忘れないようにしたい」等々。
そうか、それは良かった。その調子で頑張れよ。
と言いつつ、まあ持って1週間だろうというのが教員の本音。
で、生徒たちは予想を裏切らず、3日と経たないうちにかつてのだらけた日常に復帰する。
では、やる意味はなかったのか。
そんなことはない。
3日や4日の訓練で、1日10時間以上勉強する習慣が身につくわけがないから目的はそこではない。
スポーツの練習でも言えるが、毎日コツコツだけでは上手くなれないし強くもなれない。だから強化合宿みたいのをやるでしょう、あれと同じ。
時々ものすごく負荷のかかる練習をしなきゃいけない。高強度の練習だね。
中程度の勉強を7日間連続するより、1日は高レベルの勉強をやり、バランスをとる意味で1日休みを入れ、残り5日間のうち4日は中程度、1日は軽度という具合に、いわゆるメリハリのある勉強にしたほうが強化につながる。
まあそういう理屈なんだが、軽度や中程度なら何とか自分一人でもできるが、高度はよほど強い意志を持っていないと一人ではできない。
最近は行っていないが、スポーツジムでのトレーニングでも、自分一人だと1セットか2セットで妥協してしまうが、そばにコーチがいて「もう1セット頑張っちゃいましょう」とか言われると、その気になるし、やれば出来ちゃう。で、たぶんこのプラス1セットが強化につながっている。2セットまでだと維持が精いっぱい。
ふだんの長い夏休みだったら、塾でもこうした負荷のかかる勉強を取り入れるんだろうが、今年はどうなんだろう。始まったと思ったら、もうすぐに2学期というような異例の夏休みでは難しいかもしれない。
が、塾の先生方には何とか工夫して、気力も体力も使い果たし家に帰ったらもう何も出来ないというくらい負荷の高い勉強をさせてやって欲しいとお願いしておこう。
コメントを残す