今日の大阪国際女子マラソン。優勝は予想通り東京五輪代表の一山麻緒選手。他の出場選手とはレベルが違い過ぎた。
 今回は コロナ感染拡大の影響を受け、公道での開催を断念し、長居公園内の周回コースで行われた。いわゆる無観客試合だ。
 優勝タイムは2時間21分11秒。ギリギリ大会新記録だ。

 話題になったのは男子の川内優輝選手らがペースメーカーを務めたことだ。
 今大会ではコロナ禍のため海外選手を招くことが出来ず、国内女子では一山選手や前田穂南選手を引っ張れる選手がいないので異例の男子起用となったようだ。
 結果、国際でも女子でもなく、ただの大阪マラソンとなった。

 女子レースに男子のペースメーカーを起用することや、ペースメーカーそのものについて否定的な意見があるようだが、強化の一環としてこういうのもありではないか。
 いろいろ試してみて、レースがつまらないとか、強化にもつながらないとなれば、放っておいてもそのうち廃れる。
 過去の常識に囚われるべきではない。

◆ペースメーカーの存在は有難い
 近年のマラソン大会ではペースメーカーが付くのは常識なのだが、実は、私らが出るような市民マラソンでも、さまざまな設定タイムのペースメーカー(ペーサー)が付くのは珍しくない。
 昔はこんなことはなかった。

 大会に参加するランナーはそれぞれタイム設定する。
 ゴールタイムはどのくらいにしよう。そのためには1キロ何分、あるいは5キロ何分で刻もう。
 速い人は速い人なりに、遅い人は遅い人なりに、そのような設定をする。
 
 それで、何度も時計を確認するのだが、これが意外に疲れる。
 というか、ストレスがたまる。
 また、最初のうちは想定タイムとどれくらい誤差があるかが体感で分かるが、疲れてくるとそれが鈍る。
 ちょっと遅いんじゃいないかとペースを上げてみたり、このままじゃ最後まで持たないんじゃないかと抑えてみたりと、とにかく忙しい。

 体を使ってるだけで疲れるのに、頭まで使うものだから疲労は倍増する。
 が、その点、ペースメーカーが付くレースは有難い。
 頻繁に時計を確認する必要はなく、ペースメーカーの後を追っていけばいい。
 ペースメーカーの人は「はい、ここが頑張りどころですよ」とか、「もうちょっと行くと、下りになりますよ」とか励ましてくれたり、コース状況を説明したりしてくれる。

◆サポートを受けた記録に意味はないのか
 さて
 このようにペースメーカーによるサポートを受けて出した記録に意味はないのか。
 そんなことはないだろう。
 自己ベストを更新できれば自信になるし、その後の練習のモチベーションが上がる。
 自分のレース運びのどこに問題があるのかも分かってくるから、その後の練習テーマがはっきりしてくる。
 結果実力が上がる。

 まあ私のような鈍足市民ランナーとオリンピックに出るような一流ランナーとを同列に論じることはできないが、
 冒頭述べたように、強化の一環としては十分ありだろうと思うのである。

◆結局は塾もペースメーカーなのでは
 最後は例によって、強引に受験の話に持って行くが、塾の存在もある意味ペースメーカーではないか。
 どこが頑張りどころなのか、どこが勝負どころなのか。
 ここはペースダウン、ここはペースアップ。ここでドリンク(給水)。
 受験生たちは人生初のレースだから、そんなことは分からない。

 そこで、勉強自体を教えてくれるだけでなく、ペースメーカーとしてゴールまで導いてくれる。
 何と有難い存在ではないか。

 じゃあ、それで得られた成功(合格)には意味が無いのか。
 そんなことはあるまい。

 独力だけに価値があるのではない。

 受験だろうが、仕事だろうが、人生だろうが。
 受けられる助力(サポート)は受けた方がいい。
 その結果、頂点近くまで昇りつめると、「もうあなたのペースメイクを出来ると人はいません」となる。
 そうなったら仕方ない。独力でやる。
 そして今度はサポート役、ペースメーカー役に回る。