来週からいよいよ首都圏公立高校入試ウィークへ。2月15日(月)は神奈川県公立(共通選抜)、21日(日)は東京都立(第一次選抜・分割前期)、そして26日(金)は埼玉県公立の学力検査。
 学力検査がメインの入試としては、これらの日程が全国的にもっとも早い。

 埼玉県を中心に活動している私が、この時期毎年やっているのは、先行する神奈川県と東京都の学力検査問題のチェック。
 稀に神奈川や東京で出された問題が埼玉でも出されることがある。
 各都道府県は互いに相談して問題を作っているわけではないので、そういうこともある。

 今年は出題範囲がいつもと違うので、その点に注目して見ておこう。
 除外された範囲(単元等)は、1都2県の中では埼玉がもっとも多く、次いで東京、神奈川となる。
 例えば数学では、標本調査の除外は1都2県共通だが、三平方の定理は神奈川は除外しないが東京と埼玉は除外する。
 三平方の定理を除外したことで東京の出題にどんな変化がみられるかなどは、一応見ておく必要はありそうだ。
 また、英語でも東京と埼玉の除外範囲は近いので、その点も注目しておこう。
 まあ、直前になって受験生に大きな負荷をかけるのは得策ではないと思うので、今後の資料として見ておけばいいだろう。

◆難しい受験生へのラストメッセージ
 受験生向けラストメッセージを新聞から依頼されている。
 応援メッセージだ。

 私自身は直接受験生の指導に関わっているわけではないので、気楽な立場なのだが、それでも難しい。
 私のような第三者ですらそうなのだから、実際に指導されてきた先生や、保護者の方々は最後にどんな言葉をかけようかと悩まれているんじゃないかと思う。

 ガンバレ、死力を尽くせと力強く送り出したほうがいいのか。
 肩の力を抜けと緊張をほぐしてやったほうがいいのか。

 まあ、その子の性格にもよるだろうが、一般的には口では何と言おうが緊張しているものだ。
 それが適度な緊張であればプラスに作用するが、過度な緊張はマイナスとなる。
 だから、どちらかと言うと緊張をほぐしてやったほうがいいというのは私の考えだ。

 「リラックスしなさい」
 これじゃあ、オマエ緊張してるだろうと言っているようなもので、逆効果だ。
 「大丈夫、自分を信じなさい」
 それが出来ないから不安なんでしょう。

 先だって、陸上女子長距離の新谷仁美選手が、オリンピック内定がかかり、かつ日本記録が期待されたレースの際、
 「結果が出なかったらコーチの責任にしようと思っていたが、結果が出たのでコーチのおかげ」と言っていた。
 新谷選手らしい発言だ。
 ここに現れているのは、選手とコーチの強い信頼関係だ。
 おそらく、本当に結果が出なかった時は自分のせいにしただろう。

 一緒に考え、一緒に練習してきた。
 レースを走っているのは自分だが、心の中ではコーチと一緒に走っている。
 そして結果もまた、どんなものであっても一緒に受け止める。

 どうだろう。
 この「一緒に戦ってる感」。

◆メッセージは言葉だけじゃない
 今年はコロナの影響で無理だが、よく塾の先生が試験会場に激励に来ている。
 仕事でやってるんだろうとか、意味ないだろうという批判もあるが、意外に効いているかもしれない。

 先生方もお父さんお母さんも、この1年間一緒に戦ってきた。
 だったら、最後の最後まで、一緒に戦おう。
 たとえ教室で一緒に問題は解けなくても、心はひとつ。
 もちろん結果も共に受け入れよう。
 当然じゃないか。

 当日朝、お母さんは必勝のハチマキ締めて弁当作ろう。
 お父さんは神棚やご先祖様の仏壇に祈ろう。
 って、これはもちろんジョークだが、
 メッセージは言葉だけじゃない、
 時に、言葉より力強いメッセージもあるということだ。