埼玉県公立高校入試は明日から2日間が願書提出。なのだが、今年度は原則中学校がまとめて郵送という形なので、すでに大方の願書は各志願先高校に届いていると思われる。
 県の要項では2月12日を配達指定日とするよう定めていた。
 ただし、あくまでも原則であって、受験生本人が15・16日に持参することも認められている。

 前年度の場合、第1日目(2月17日)時点の総志願者は4万1385人、第2日目(18日)時点の総志願者は4万1448人。
 その差は100人にも満たないことから、よほどの事情がない限り第1日目に出願を済ましていることが分かる。
 今年度も第1日目(15日)までの数値で99.9%決まりと考えていいだろう。

 受験生・保護者の関心のすべては、自らが出願した学校の倍率だろう。
 あとは志願先変更を検討している場合、その対象校の倍率。
 それ以外はどうでもいい。

 が、私の場合、仕事上全体的傾向を見ておかなければならない。
 
◆志願者総数はどのくらい減ったか
 12月15日現在調査では公立全日制希望者総数は4万251人で、倍率は1.12倍。
 そのうち普通科希望者は3万1497人で、倍率は1.19倍。
 減少分は最後の段階で定時制や通信制、または県内外の私立に回ったことになる。

 前年度は12月15日現在で4万2301人いた公立全日制希望者が出願時には4万1448人と853人減り、
 倍率は1.15倍から1.12倍に下がった。
 また、普通科希望者は12月15日現在調査で3万2701人いたが出願時には3万1149人と1552人減り、
 倍率は1.20倍から1.15倍に下がった。

 個別の学校の倍率も重要だが、全体傾向も押さえておこうと思う。

◆2倍超の高倍率は解消するか
 12月15日現在調査では、市立川越(2.90倍)・市立川口普通科(2.42倍)・市立浦和(2.29倍)の3校が2倍を超えていた。
 専門学科では大宮・理数(2.18倍)。
 過去の例から、4校とも出願時には2倍を切るだろう。
 大きく下がるのは市立川越、あまり下がらないのが大宮と市立浦和。
 川口市立はどちらのパターンなのか。
 1.50倍を境にそれより上で踏みとどまるか、一気に1.50倍以下に下がってしまうのか、このあたりを注目しよう。

 12月15日現在で1.60倍を超えていた学校が9校あった。
 川越南(1.99)・浦和西(1.78)・大宮(1.76)・越ヶ谷(1.72)・南稜(1.71)・大宮北(1.70)・越谷南(1.69)・上尾(1.68)・蕨(1.63)。
 ここをピークにこれ以上上がる可能性はないわけだが、問題は下がり方だ。
 大きく下がりそうなのは、川越南・南稜・越谷南・上尾。
 それほど大きくさがりそうもないのは、浦和西・大宮・越ヶ谷・大宮北・蕨。
 これらの下がり具合にも注目しておこう。

◆伝統校の定員割れは解消するか
 春日部(0.99)・熊谷(0.93)・熊谷女子(0.99)。
 いずれも明治時代創立の県下屈指の伝統校。
 このまま定員割れということはないが、1.10倍を超えられるかどうか。

 それと伝統校と呼ぶにはまだ歴史は浅いが川口北(0.89)。
 ここも50人~100人は増えると見込まれるので定員割れはしないが、1.10倍を超え1.20倍近くまで回復できるかどうか。

 以上が明日15日の倍率を見る際の主な視点である。