2021埼玉県公立入試、コロナ関連欠席者は14人(総数65人)だった。3日に追検査、12日に特例追検査があるので、体調整え、そちらで頑張っていただろう。
 さて、気になるのは平均点。上がるのか、下がるのか。
 自分が出来たと思っても、みんなが出来て平均点が上がったら、あまり喜べない。
 自分がだけじゃなく、みんなも出来なければ平均点が下がって、ちょっとは気が楽になる(かもしれない)。

 ただし、平均点は一つの指標に過ぎない。
 たとえば、70点と70点なら平均点は70点、100点と40点でも平均点は70点。
 出来た人と出来なかった人の差が、あまりない70点と、くっきり分かれる70点がある。
 入試ではむしろ得点の分布の方が気になるわけだが、それは採点、集計がすべて終わってみないと分からない。

◆入試のプロは、難易度をどう見たか
 今日(27日)の埼玉新聞に塾の先生方の講評が載っている。
 日々受験生に接し、過去問なども徹底研究されている方々なので、私の見立てよりはるかに正確だ。

【国語】
 担当は湘南ゼミナール・森寿郎先生。
 「例年、難問であった大問3の論説文が易化した(易しくなった)」
 そうか。私も問題見た瞬間、ずいぶんと読みやすい文章だなと思った。
 「(大問3は)例年、記述問題の難易度が非常に高かったが、傍線部周辺の指示語、接続語が手がかりとなり、根拠が見つかる問題が多かった」
 一番点数が取りにくいと思われる大問3がこの調子なら、平均点が下がることはなさそうだ。

【社会】
 担当は湘南ゼミナール・大庭靖弘先生。
 「昨年に比べ易化した(易しくなった)」
 ズバリ言い切ってる。
 「昨年の入試で2問出題されるようになった並び替えの問題は、大問4の問4で出題され、今年は1題に戻った」
 受験生が苦手とする問題が1題減ったわけだ。
 これが難しかったという例が一つも挙げられていないから、社会も平均点は上がるとみて良さそうだ。

【数学】
 担当はスクール21・松坂直樹先生。
 「(学力検査問題は)、図形が簡略化されていたり、問われる事柄が扱いやすく設定されたりしてる。難易度も昨年と同様であったと考えられる」
 「大問2は、(中略)受験生にとって取り組みやすい問題だった」
 「大問3は、(中略)解きやすい設定となっていた」
 「大問4(2)(3)は、(中略)難易度の高い問題であった」
 学力検査・数学は、昨年一気に平均点が上がり注目された。今年はその反動でやや難しくなるのではないかと予想したが、どうやらそうではないみたいだ。
 今年も昨年並みかそれ以上の平均点になりそうだ。

 「(学校選択問題は)、図形が複雑であるなど問われる事柄が扱いづらい設定となっていた」
 学力検査と逆だったということか。
 それでも、「難易度は昨年同様と考えられる」と、結論は一緒。
 「大問4も、(中略)(1)から難易度の高い問題であった。(中略)(2)の証明問題、(3)の面積を求める問題も手がつかなかった受験生も多かったと思われる」
 それはまあ、学校選択問題なのだから、そういう問題もないといけない。
 平均点は昨年とほぼ変わらずといったところか。

【理科】
 担当は国大セミナー・松野下 健先生。
 「全体の難易度は昨年同様かやや易しくなったが、問題ごとの難易度の差が大きくなった
 つまり、平均点としては昨年並みだが、得意な子と苦手な子とでは差が開く可能性があるということか。

【英語】
 担当は学力検査が国大セミナー・林大蔵先生、学校選択が同・中村昇二先生。
 「(学力検査の)英作文は取り組みやすい問題であった」
 うん、私もそう思った。
 「関係代名詞、間接疑問文など削除項目があり英文全体としては読みやすい内容であった」
 やはり全体として易しいという見立てか。

 「(学校選択の)大問2、問2問3はそれほど難しくない。問7は昨年度と比較して答えやすかったのではないか」
 「大問3の問6は(中略)ここは差がつく可能性がある」
 「大問4は英作文。(中略)書きやすい問題だった」
 

 以上が、塾の先生方の講評の一部だ。
 どの教科を読んでも、「難問」とか「難しい」といった表現がほとんど見当たらない。
 やはり、今年の問題は、受験生とって取り組みやすく、割と平易な問題が多かったようだ。
 とすれば、平均点は各教科とも昨年並みか、やや上がると見るべきで、大きく下げる教科はないだろう。