今シーズン初めての学校取材だ。新年度になっていくつかの学校を訪ねているが、新聞掲載を前提とした訪問は初めてだ。
今日の取材の結果は、「よみうり進学メディア埼玉版」6月号に掲載される。
同紙は首都圏(東京・埼玉・神奈川・千葉)の公立中学2・3年生に学校を通じて無料配布されている。
塾の先生や高校の先生は、同紙のWEB版「よみうり進学メディア」でご覧になれる。
ただし、このサイト、教育や入試に関してはまったく知識のない方が設計・デザインしたらしく、実に見にくい。
私の書いた記事も相当数掲載されているはずだが、書いた張本人である私も自分の書いた記事のありかを探すのに一苦労だ。
改良を望む。
(なお、本日の取材記事は6月中旬掲載予定)
◆専門学科に近い総合学科
さて、本日の訪問校は川越総合高校である。
2014年に一度取材したことがある。
今回の特集は「専門分野を学ぶ」で、主に専門高校を取り上げるが、総合学科校でありながら、専門学科に近い教育が行われているため、この学校を加えた。
総合学科は、普通科と専門学科の中間に位置する学科である。
両方の「いいとこどり」とも言えるが、「どっちつかず」で性格が曖昧になるきらいがある。
その点、前身が農業高校(川越農業)である同校は、校舎・施設設備等をそのまま引き継いであり、教育課程も農業系科目を中心に編成しているので、曖昧さを回避できている。
◆募集面では総合学科の優等生
2021年度入試の結果は次のとおり。
▼募集人員 200人
▼入学許可予定者 198人
▼実受検者 231人
▼入学許可候補者 210人
▼倍率 1.10倍
総合学科全体(全県で9つ)の倍率は1.02倍であり、同校の1.10倍はその中でトップである。
5校(科)が欠員補充をしていることを考えれば、よく健闘している。
人口県下第3位の都市・川越に位置している。
JR、東武東上線、西武新宿線の駅から徒歩圏内(約20分)である。
こうした地の利も、安定した人気を支えているのだろう。
◆施設設備は申し分ない
農業系科目を学ぶための施設設備は完璧だ。もちろん指導陣も。
校外にある農場との行き来のためにスクールバスを所有している。
トラックを何台も所有している。
以前に取材したときはなかった新しい温室ができており、そこでメロンを栽培していた。
素人の私でも、そうとうお金がかかっていることが分かる立派な温室だ。
で、気になるお値段は?
浦和や大宮の市街地で広めのマンションが買える。
そのくらいのお値段。
県だけでなく国の補助が相当額入っているとのことだ。
実験・実習の多い専門教育の場合、施設設備にお金がかかるのだ。
収穫後のメロンは市内のデパートで販売される。
鶏舎(ニワトリ小屋)もあった。
◆いい意味の「緩さ」が魅力か
私はこれまでに多くの専門学科を取材している。
たとえば工業高校だと、製造業などに即戦力として就職することが想定されているため、かなり高度な技術の習得が目指されている。
3年生の実習ともなると、先生と生徒というより親方と弟子のような関係にさえ見える。
商業高校でも、社会人としてのマナーが徹底され、資格取得に全力で取り組む。
その点、この学校は専門高校ではないから、「君たちは将来プロになるんだ」といった厳しさは求めてはいない(ように見える)。
各自好きなことにのびのびと取り組んでいる。
これを「緩さ」と言ってしまえば、たしかにそうかもしれないが、こういう道があってもいい。
スカート短めの女子も結構いる。
うっすらと化粧している子もいる。
でも、実習になればちゃんとやることはやっているんだから、まあいいか。
作業着を着て、手足を土で汚し、鶏のフンの始末まで当たり前の顔してやってるんだから、細かいことは許そう。
ダラダラやっている子はいないが、いい意味の「緩さ」がある。
そんな印象だ。
パン作りの実習を見に行き、写真を撮っていたら、「オジサン、これ撮ります?」とサービスショットを提供してくれた。
楽しい子たちだ。
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