埼玉県の県政ニュースを見ていたら、教員採用に関する2件の記事が見つかった。
 一つは、公立中学校の美術と技術の教員を追加募集するというもの。

 「令和4年度採用 埼玉県公立学校教員 中学校(美術・技術)追加募集」
 中学校美術と同技術の教員を各5名追加するというものだ。

 先月、採用試験の最終合格者が発表された。
 「令和3年度実施 埼玉県公立学校教員採用選考試験の結果」(10月12日)
 それによると、美術が16名、技術が10名合格していた。
 急きょ想定していた以上の需要が発生したとは考えにくいので、合格者のうちかなりの人数が他県や民間企業にとられてしまったと推測される。
 
 元々の応募者が減少している中、追加募集に集まってくるのか。
 また、この時期応募してくるのは他を落ちた者ということになるが、それで大丈夫か。
 と言っても、頭数はどうしたって必要なのだから、今からでもかき集めるしかない。

 採用に関するもう一つの記事。
 これも上記と同じ、本日(11月19日)付け。
 「民間企業経験者特別選考試験」
 高校英語教員3名の募集だが、こちらは追加ではなく当初からの予定と思われる。

 年齢は昭和37年(1962年)以降の生まれとなっているから58歳までオーケー。
 結構、幅はあるな。
 英語力については、「CEFR B2相当」とあるが、これがどの程度の英語力なのか専門知識がないのでよく分からない。
 英検なら最低でも1級以上というところか。

 実務経験は、民間企業で正規雇用として英語を使用した業務に直近5年間で3年以上就いていること。
 これもまあ、結構緩い。
 英語を使用した業務なんていくらでもある。
 3年程度で実務経験って言えるのか。
 と、ツッコミどころ満載だが、あまり厳しくすると志願者が減ってしまう。
 ここはとにかく間口を広くとっておくことだ。
 「誰にでもできる簡単なお仕事です」と言って募集するのと同じ。

 応募資格に教員免許状所有者であること、というのがない。
 なるほど、無免許歓迎か。
 しかし、こうなると免許状更新制度がいかにバカげたものか分かるね。
 経験豊富な現職教員に、免許状無効にするぞと脅かす一方で、「そんなものあってもなくてもいいですよ」という募集がある。
 まあ、制度は廃止されるみたいだからいいけど。

 民間人の募集は難しい。

 民間会社が社員募集(新卒や中途)をするのも難しいんだよ。
 つまり、民間人が民間人を募集するのも難しい。
 その民間人募集を民間経験のない公務員がやろうというのだから、大丈夫なのかと心配になる。
 こいつは、かなりのギャンブルだ。
 まあ一般的にも採用っていうのはギャンブルであるわけだが。

 50代のオールド。
 リストラ予備軍の可能性。
 もう先が見えた。第二の人生は公務員でのんびりと、みたいなのを掴まないように。

 40代のミドル。
 働き盛りを企業が放出するかな?
 戦力外通告かもよ。
 
 30代以下のヤング。
 転職グセついてないかどうか見極めないと。
 我慢が足りないヤツ多いんだよ。

 とまあ、ネガティブなことばかり言っているが、もちろん「お宝」も眠っている。
 要は採用する側の眼力だ。
 宝探しの成功祈る。

 生きた英語というのを生徒に教えたいんだろう。
 だったら、現職教員をバンバン海外研修に出せばいいというのが私の考えだ。

 そうそう、募集要項に参考として給与が示されていた。
 給与というのは給料プラス諸手当である。

 埼玉県高校教員
 平均年齢 43.4歳
 平均給与 427.766円(月額)

 12ヶ月だと5.133.192円。
 これにボーナス加えると、700万円程度か。
 民間の大企業にはかなわないが、中小企業よりずっとましだ。
 公務員や先生は結構共働きが多いから、そうであれば生活に困ることはないだろう。
 何より有難いのは倒産の心配がないことだ。