2022埼玉県公立高校入試。いよいよ来週から出願だ。
 志願者本人持参による出願は14日、15日であるが、中学校で取りまとめて郵送または持参する場合の期限は10日だ。
 よって、すでに事実上の出願を終えている受験生も多いと思われる。

◆公立離れ、加速するか
 昨年度(令和3年度入試)の場合、12月15日現在調査(第2回調査)で全日制(普通科+専門学科+総合学科)希望者は4万251人いたが、実際に出願したのは3万9475人だった。
 776人減少しているが、その多くは年末から年始にかけて主に私立高校に志望変更したと推測される。
 
 今年度は、12月15日現在調査における全日制希望者は4万1102人であった。
 昨年より多いのは母集団、すなわち中学校卒業予定者が多いためと考えられる。
 昨年と同割合の離脱があると想定すると、実際に出願するのは4万300~500人程度となるだろう。
 個々の学校の倍率も気になるが、個人的にはこの数字にも注目している。
 公立全日制出願者4万300~500人。
 間をとって4万400人。
 関係者の皆さんも、ぜひこの数字を頭に入れておいて欲しい。
 これを下回るようであれば、それだけ多くの割合の受験生が、全日制希望から通信制・定時制希望へ、あるいは公立希望から私立希望へと志望変更したということだから、公立離れがさらに加速したことになる。
 逆に、上回るようであれば公立離れにぎりぎり歯止めがかかったということになる。
 個人的には、ここ数年の流れから見て、低い方の4万300人前後かと思うが、4万人を割るかどうかというあたりまで減る可能性もありと見ている。

◆志願先変更で総数が減る不思議
 いったん出願した後、1回だけ志願先変更ができる。
 普通に考えれば、A校に出願した者がB校に変更し、B校に出願した者がC校に変更し、ということであるから、プラスマイナスで志願者総数は変わらないはずだ。
 しかし、昨年度の例を見ると、出願時に3万9475人いた志願者が、変更後には3万9305人に減っている。
 プラマイで170人の減。
 これはどういうことか。
 定時制は変更後に22人増えているので、全日制から定時制への流れがあったことが分かる。
 それにしても、まだ計算が合わない。

 このあたりが現場を知らない悲しさで、僅か2日か3日の間に受験生に何が起こっているのかよく分からない。
 現場を熟知した塾や学校の先生に教えを乞いたいところだ。

◆0.95からなぜ1.00を超えない?
 昨年度、12月15日現在で倍率が1.00倍未満、すなわち定員割れ状態だった普通科の学校(コース含む)が46校あった。
 そのうち39校(84.8%)は出願時において倍率が上昇したが、6校はさらに低下した。

 今年は12月15日現在では41校が定員割れ状態である。
 昨年同様8割前後の学校は上昇すると思われるが、問題は1.00倍を上回り、定員割れ状態を脱するかどうかだ。
 前述のように昨年は出願時において上昇が見られた学校が39校あったが、そのうち1.00倍以上となったのは、半分にとどかない15校だった。
 で、その15校のほとんどは、すでに12月15日現在で0.8~0.9倍に達していた。もっとも低い所から到達したのは、0.72倍からと0.75倍からの2校で、0.70倍以下から定員割れ状態を脱した学校はなかった。0.6倍あたりからだと上がることはあっても1.00倍までは届かないということだろう。定員割れなら全員合格だから、ある意味ねらい目とも言える。

 昨年度12月15日現在で0.90台に乗せていた普通科校(コース含む)が17校あった。
 ここまで来ればもう一息と思いきや、このうち1.00倍を超えたのは9校で、8校は定員割れ状態を脱することができなかった(あくまでも出願時。志願先変更後は多少違ってくる)。
 まあ、何とか定員割れを免れたいというのは学校側の思惑であって、受験生としては、このまま上がらないで欲しいという気持ちが強い。0.5倍とか0.6倍あたりなら少し上がっても全入の可能性が高いが、0.9以上だと競争状態になる可能性もある。そのような受験生心理から、もうちょっとで定員割れ脱出という学校が案外避けられてしまうのかもしれない。
 ただこれも、実戦指導に関わっていない私にはよく分からない。
 皆さんの教えを乞いたいところである。