連休初日(4月29日)以来、曇りや雨の日が続いていたが、ようやく朝から晴れだ。
さあ、外に繰り出すぞ。
といきたいところだが、こんな日に限って仕事がらみで人に会う約束があったのだ。
クソ、昨日にしておけばよかった。
ところで。
この時期になると、各私立学校から塾説(塾対象説明会)の案内が届く。
私自身は昨年、勝手に引退宣言をしているわけだが、それでも届く。
でも、行かない。
引退の理由は、ここに書いた。
「体力的にきつくなってきたので塾説引退宣言をしておく」(令和3年5月13日)
◆公立が開催したら行くかも
勝手に引退宣言した私だが、もし公立が開催したら出かけて行くかもしれない。
私立に比べ、公立を訪れる機会は極端に少ないのである。
だから、そういうチャンスがあれば老体に鞭打って出かけて行く。
私は塾説は引退宣言しているが、学校取材は今も現役だ。
塾説に行かない分、受験生・保護者対象の説明会に行くようにしている。
コロナ感染拡大以降、人数制限・事前予約が当たり前になっているので、ふらりと出かけるわけにもいかない。
事前に行っていいかどうか電話で確認をする。
私立の場合だったら、入試広報担当の先生にお願いする。
これで大体話はつく。
今のところ、断られたケースはない。
が、公立となると、なかなか厄介だ。
(いや、厄介なのは向こうか)
校長が知り合いであれば、直に頼んでみる。
が、すでに私の同僚や後輩たちは、ほとんどが定年で第一線を引退している。
よって、ビジネスマナーに従い、教頭や広報担当(居ればの話だが)を通じて依頼する。
向こうからは「お前は一体何者だ」「どういう仕事をしているのだ」「目的は何なのだ」「来て何をするのだ」と、事細かく質される。
まあ、ある意味正しい対応ではある。
コロナ禍で余計慎重になっているというのもある。
が、こちらとしては結構面倒だ。
だから、塾説のような、「どうぞ来てください」というような場面を作ってくれたら有難いと思うのである。
◆私立も今や、実利優先
最近の若い塾の先生方はご存知ないかもしれないが、10年20年前の私立塾説は、接待の要素が多分にあった。
というか、接待そのもの。
会場はホテル。説明会後の飲食は当然で、交通費プラスお土産付き。
が、私の知る限りでは、こうした接待付き塾説はほぼ姿を消した。
メインは学校会場。
授業公開・見学を組み合わせることも普通になった。
食事の方も、懇親会(昼食会)のようなものは減り、せいぜいが持ち帰りできるお弁当。
交通費は出ない学校もあり、出ても1000円のクオカードか図書券程度。
招く側も招かれる側も、これで十分。
といった状況であるから、今日の塾説の在り方というのは、公立にとってもそれほど高いハードルではないのである。
◆塾との付き合い、連携のどこが問題?
一つ残る問題が、民間企業たる塾との付き合い方である。
公立学校が塾と付き合っていいのか。
もちろんいい。
ベネッセもリクルートも代ゼミも河合塾も民間企業だろう。
グーグルやアップルもみんなそう。
今や部活だって民間スポーツクラブと提携しようという時代だ。
塾との連携のどこが問題なのだ。
その証拠にと言うか、都立高校はとっくの昔から、堂々塾説を開いているぞ。
塾の先生方が、受験生や保護者に対して、公立の何を説明し、解説できるか。
偏差値と大学進学率だけである。
あとは卒塾生から漏れ聞いた個人の感想の受け売り。
私立に関しては、教育方針など直接聞いている。
授業の様子も、施設設備も自分の目で見ている。
だから自信をもって勧められる(その逆もあるが)。
塾の先生方が、受験生の学校選びにどこまで関与しているかは、分からない。
今は、参考意見程度で、本人と家庭の意志を尊重するというスタイルが多いかもしれない。
それにしても、「自分も行ってみたけどいい学校だよ。一度見に行ってみれば」と、私立に対するのと同じように、公立に対しても言ってくれれば、受験生の動きも違ってくるだろう。
働き方改革が叫ばれている時代に、イベントを増やすのはどうかと思うが、塾説は平日の午前中に開催するものである。
午後から授業の塾の先生方はそうじゃないと来られない。
だから私立も都立も、みんな平日午前中開催だ。
これなら職員の勤務時間を心配しないで済む。
◆私立は生徒と先生を見てもらう
公立の先生方から、「公立は施設設備で見劣りするから…」という声が聞かれる。
確かにそれはある。
が、はっきり言っておこう。
私立が選ばれているのはそこじゃない。
私は自称、業界トップレベルの授業ウォッチャーである。
授業はたくさん見てきた。
伝統ある公立には神授業を展開する達人がわんさかいるが、今や私立にも神々は数多存在するのである。
それなくして、今日の私立の発展はない。
私は私立の先生方に対し、塾説でせっかく学校に足を運んでもらっているのだから、最大のウリである授業を見せずに帰す手はないと言っている。
教室内にはたくさんの情報がある。
生徒同士のコミュニケーションの様子。
先生の言葉遣いや生徒への接し方。
生徒の髪型、服装、持ち物。
教室内の整理整頓、清潔さ、安全配慮。
塾の先生の中には、確約のための偏差値基準さえ聞ければ十分という方もいるかもしれない。
そういう方は、用が済んだらそのままお帰りいただこう。
しかし一方には、その日自分の目で見てきたことを塾に帰って生徒たちに話してやろうという先生もいるはずで、そういう方たちのために、情報の宝庫である授業及び教室を見学する機会を作ってもらいたいと思うのである。
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