昨日書いた中学校卒業者の進路状況の話。
続きである。
通信制高校が進学者がじわじわ増加している。
令和4年3月では3447人。
進学者の5.5%を占める。
定時制進学者を上回り、今や全日制に次ぐ第二の選択肢である。
かつて第二の選択肢であった定時制とは、どこで逆転したのか。
調べてみよう。
【通】 【定】
2014年 1288(2.0%) 1369(2.1%)
2015年 1436(2.2%) 1306(2.0%)
2016年 1598(2.4%) 1162(1.8%)
2017年 1861(2.8%) 1223(1.9%)
2018年 2095(3.2%) 1079(1.7%)
2019年 2387(3.8%) 1062(1.7%)
2020年 2578(4.1%) 1142(1.8%)
2021年 2995(4.9%) 996(1.6%)
2022年 3447(5.5%) 967(1.5%)
以上のように、今から8年前、2014年(平成26年)に逆転したことが分かる。
比較的最近のことである。
しかし通信制はほぼ一貫して増加しているのに対し、定時制は減少を続けているので、差は開く一方だ。
◆埼玉県内の公立定時制
県内には定時制が24校ある。
学科としては普通科、専門学科、総合学科がある。
普通科は、浦和・浦和一女・春日部・熊谷・越ヶ谷・本庄といった伝統校にもある。
羽生は唯一、定時制だけの学校だが、それ以外は全日制との併設である。
秩父農工科学は、全日制は専門学科だが、定時制は普通科である。
専門学科は、大宮工業・川口工業・川越工業に工業技術科があり、大宮商業に商業科がある。
大宮商業・川越工業には普通科もある。
総合学科は、狭山緑陽・戸田翔陽・吹上秋桜・吉川美南・川口市立にある。
吉川美南と川口市立には全日制もあるが、他は定時制のみだ。
狭山緑陽・戸田翔陽・吹上秋桜・吉川美南は「昼夜開講二部制(又は三部制)」という形をとっており、昼間部を選んだ場合、全日制とあまり変わらない学校生活となる。
このあたりが人気と見えて、戸田翔陽のⅠ部とⅡ部、吹上秋桜のⅠ部は、令和4年度入試においても定員を満たしている。狭山緑陽のⅠ部も156人募集に対し146人とまずまずだ。
定時制進学者の約7割は、これら総合学科への進学者である。
古い世代にとって「定時制=夜間」であったが、その姿は変わりつつある。
◆埼玉県内の公立通信制
県内の公立通信制としては埼玉県立大宮中央高等学校がある。
「通信制」の課程のほか、「単位制による定時制」「単位制による通信制」の課程がある。
学習は、「レポート(R)」「スクーリング(S)」「テスト(S)」の三本立て。
スクーリングは月2~3回あるが、大宮本校以外に、協力校である吉川美南・狭山緑陽・吹上秋桜・秩父農工科学でも可能。
修業年限は3年以上となっているが、所要単位(74単位)を修得すれば、3年で卒業することも可能。
中学新卒者だけでなく、他校からの転編入学者も受け入れる。
参加は自由だが、部活動や学校行事もある。
入試は基本書類選考のみで3月に行われる。
◆私立の通信制高校
県内私立で通信制課程を設置している学校には次の学校がある。
まずは、埼玉県私立中学高等学校協会加盟校から。
大川学園高等学校(飯能市)
志学会高等学校(杉戸町)
武蔵野星城高等学校(越谷市)
あまり知られていないが、開智にも通信制課程がある。
開智高等学校 通信制課程
他に県内に本校、本部がある広域通信制高校は次のとおり。
松栄学園高等学校(春日部市など)
清和学園高等学校(越生町)
清和学園の経営母体は武蔵越生高校と同じ学校法人一川学園である。
霞ヶ関高等学校(川越市)
霞ヶ関高校の経営母体は埼玉平成中学高校と同じ学校法人山口学園である。
以上は、学校法人が設立した学校であるが、株式会社が設立した学校もある。
創学舎高等学校(深谷市)
構造改革特区により設置された学校である。
深谷市HPにも記載があった。
深谷市ホームページ
以上、通信制・定時制についての話題であった。
その方面には疎いので、もっと勉強が必要だと痛感した。
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