ちょっとしたトラブルに見舞われ、帰りが遅くなった。
 疲れた体に鞭打って、この記事を書いている。

 昨夜は比叡山延暦寺内の宿泊施設、延暦寺会館に一泊。

 今朝は早起きし、6時半から根本中堂で朝のお勤め。
 朝夕のお勤めというのは、寺に泊まったら必須だ。
 別に強制ということはないが、せっかく泊ったのだから、参加したほうがいい。

 9時過ぎから法要と式典が予定されているが、1時間以上余裕がある。
 では、山頂に登ってみるか。
 徒歩30分とある。
 じゃあ20分だな。
 こういう時に備えてジョギングシューズを持参している。
 
 予想通り大したことはなかったが、別に絶景が眺められるということもなく、登らなくても良かった。
 ここは登山を楽しむ山じゃないことが分かった。

 その後予定をこなして帰路に着く。

◆比叡山延暦寺へのアクセス
 ここで、一度比叡山延暦寺に参ってみようという人のために交通案内をしておこう。
 
 京都までは新幹線。
 これは当たり前だ。
 埼玉、栃木、群馬あたりから車で来た人もいるが、年寄りはそのような発想はない。

 京都駅から琵琶湖沿いを走る湖西線に乗車。
 4駅目の「比叡山坂本」で下車。
 所要時間17分。

 ここから「ケーブル坂本駅」に向かう。
 おすすめは徒歩だ。
 穴太(あのう)の石積で有名な坂本の街を歩くのもいい。
 途中、日吉大社などもある。
 20分もあれば十分だが、キャリーケースごろごろ転がしながらはきついので今回はバスを選択。

 バスは1時間に2本。
 ケーブルが1時間2本だから、それに合わせている。
 所要時間7~8分。
 
 「ケーブル坂本駅」から日本一距離が長いと言われるケーブルカーで「ケーブル延暦寺駅」へ。
 所要時間11分。運賃は片道870円。
 「ケーブル延暦寺駅」から根本中堂のある比叡山東塔までは約10分。

 東京駅を出たのが8時39分、延暦寺到着が12時20分。
 3時間40分の旅だ。
 京都駅からタクシー(8000~9000円)という手もあるが、一人なら断然こっちの方が安上がり。
 時間的にも早いかもしれない。
 帰りは逆パターン。

◆東京駅でトラブル
 東海道新幹線利用は、いつも「スマートEX」というアプリを使っている。
 Suicaと紐づいているのでスマホをピッとかざすだけのチケットレス。
 みどりの窓口に並ぶ必要がない。
 
 乗車直前にスマホでササっと指定席予約。
 15号車5番Eみたいに、好きな座席を指定できるのがいい。

 で、いつものようにピッと乗車した。
 までは良かったが、東京駅に着いて在来線乗り換えようとしたらスマホが作動しない。
 Suicaが作動しないと改札通れないじゃないか。
 チケットレスはこういう時、困るよな。

 仕方ないから有人改札に向かう。
 チケットレスではあるが、入場の時、「利用票(座席のご案内」」というのが出てくるので、それを見せた。
 なので、一応乗車履歴は証明できた。
 しかし、このままだと、ずっと新幹線に乗ったままで下車(出場)していないことになる。

 若い駅員は、スマホを操作したり、詳しい人に聞きに行ったりと一生懸命やってくれた。
 嫌な顔一つ見せずに。
 こういうところ日本のサービス業は優秀だ。

 明らかにスマホ自体のトラブルだ。
 再起動さえ出来ない。
 そこで、近くのドコモショップでみてもらおうと思うと言ったら、構内案合図でショップの場所を探してくれた。
 JR、どこまでも親切。
 「とりあえず、このまま出て、スマホが直ったら、もう一度東京でも浦和でもいいから、下車(出場)記録を更新してください」

 さあ今度はドコモショップだ。
 スマホトラブルは再起動で解決することが多いのだが、今回はそれが出来ない。
 若い女性店員が対応してくれたが、やっぱり出来ない。
 しばらくお待ちくださいといったん奥に引っ込んで、数分後。
 「たぶん、これで出来ると思います」と、彼女が目の前でササっと操作すると、めでたく再起動。
 「ああ良かった。これで出来なかったらどうしようと思ってました」と嬉しそう。
 いやいや、嬉しいのはこっちも同じだよ。
 やはり日本のサービス業は優秀だ。
 まあ「日本の」というほど海外経験が豊富なわけではないが、きっとそうに違いない。

 駅員も、店員もたぶん20代だと思う。
 だからこれは、若い人が優秀だと言ったほうがいいのかもしれない。
 彼らには年寄りが失ってしまった一途さというか一所懸命さ、必死さがある。
 おかげでトラブルに見舞われた不快は吹っ飛んだよ。
 むしろ爽快な気分だ。