引き続き倍率予想である。
 今日は、現時点(第2回進路希望調査の段階)で定員割れしている学校の今後を予想してみる。

 学校側は、実際の出願に向けて、少しでも倍率が上がってくれないかと期待しているだろう。
 しかし、受験生側からすれば、このまま上がらないで欲しいし、できることならもう少し下がって欲しいところである。

 現状定員割れである学校について、次の数字を調べてみた。
 ●第1回調査の倍率(過去4年間+5年度)
 ●第2回調査の倍率(過去4年間の倍率)
 ●出願確定時の倍率(過去4年間)
 (出願確定時とは、志願先変更が終わった段階である)
 
 さらに、これらを基にして、次の数字を計算してみた。
 A:出願確定時の平均倍率(過去4年間)
 B:第2回調査から出願確定にかけての増減とその平均(過去4年分)

 では、実際の数字を見てみよう。
 学校名は五十音順である。
 学校名右側の数字は第2回希望調査における倍率である。

●上尾橘 0.50
 出願確定時の平均倍率は0.83倍。
 第2回から確定まで、平均して0.23ポイント上がっている。
 予想範囲は0.64~0.80倍で、定員超えはないと予想される。

●岩槻北陵 0.65
 出願確定時の平均倍率は0.73倍。
 第2回から確定まで平均して0.18ポイント上がっている。
 予想範囲は0.74~0.88倍で、定員超えはないと予想される。

●大宮東(普) 0.90
 出願確定時の平均倍率は0.99倍。
 第2回から確定まで平均して0.08ポイント上がっている。
 予想範囲は0.95~1.00倍で、定員を超えるかどうかは微妙なところだ。

●大宮武蔵野 0.85
 出願確定時の平均倍率は1.05倍。
 第2回から確定まで平均して0.14ポイント下がっている。
 予想範囲は0.64~0.79倍となるが、、過去4年間、定員割れしていないことから、1.00倍ないしそれ以上まで上がる可能性がある。

●小川 0.84
 出願確定時の平均倍率は0.97倍。
 第2回から確定まで平均して0.15ポイント上がっている。
 予想範囲は0.89~1.11倍となり、定員を超えるかどうかは微妙なところだ。

●桶川 0.93
 出願確定時の平均倍率は0.98倍。
 第2回から確定まで平均して0.05ポイント上がっている。
 予想範囲は0.92~1.08倍となり、定員を超えるかどうかは微妙なところだ。

●桶川西 0.61
 出願確定時の平均倍率は0.97倍。
 第2回から確定まで平均して0.15ポイント上がっている。
 予想範囲は0.68~0.82で、定員超えはないと予想される。

●春日部東(普) 0.90
 出願確定時の平均倍率は1.15倍。
 第2回から確定まで平均して0.09ポイント上がっている。
 予想範囲は0.96~1.01倍となり、定員を超えるかどうかは微妙なところだ。

●川越初雁 0.81
 出願確定時の平均倍率は0.88倍。
 第2回から確定まで平均して0.16ポイント上がっている。
 予想範囲は0.88~1.02倍となるが、0.81倍からの定員超えは滅多にないケースだ。
 ただ、昨年は第2回0.76倍から確定時0.97倍まで上げているので、やや高いスタートの今年は1.00倍に達する可能性もある。

●北本 0.77
 出願確定時の平均倍率は0.96倍。
 第2回から確定まで平均して0.17ポイント上がっている。
 予想範囲は0.87~1.08倍となるが、昨年は第2回0.84倍から確定時0.95倍でとどまっているので、定員を超えるかどうかは微妙なところだ。

●栗橋北彩 0.71
 出願確定時の平均倍率は0.93倍。
 第2回から確定まで平均して0.21ポイント上がっている。
 予想範囲は0.86~0.99倍で、定員超えはないと予想される。

●児玉 0.58倍
 統合初年度なので過去データがない。
 ちなみに、旧・児玉(普)の出願確定時の平均倍率は0.72倍。
 0.58倍からの定員超えは例がなく、定員超えはないと予想される。

●白岡 0.84
 出願確定時の平均倍率は0.96倍。
 第2回から確定まで、上がる年と下がる年があり、予想が難しい。
 予想範囲は0.80~0.90で、定員超えはないと予想される。

●杉戸 0.87
 出願確定時の平均倍率は1.01倍。
 第2回から確定まで平均して0.06ポイント上がっている。
 予想範囲は0.87~0.96倍で、定員を超えるかどうかは微妙なところだ。

●草加 0.99
 出願確定時の平均倍率は1.09倍。
 第2回から確定まで平均して0.17ポイント下がっている。
 予想範囲は0.76~0.88倍となるが、過去4年間は第2回で1.15~1.38倍という高倍率からのスタートだったのに対し、今年は0.99倍からのスタートなので、逆に上がる可能性の方が高い。定員割れは予想しにくい。

●秩父 0.83
 出願確定時の平均倍率は0.96倍。
 第2回から確定まで平均して0.03ポイント上がっている。
 予想範囲は0.83~0.87倍で、定員を超えるかどうかは微妙なところだ。

●鶴ヶ島清風 0.94
 出願確定時の平均倍率は1.02倍。
 第2回から確定まで平均して0.09ポイント上がっている。
 予想範囲は0.94~1.13倍で、ぎりぎりで定員を超える可能性の方が高い。

●新座 0.86
 出願確定時の平均倍率は1.01倍。
 第2回から確定まで、上がる年と下がる年があり、予想が難しいが、第2回が0.86倍なら、上がる可能性の方が高い。
 予想範囲は0.82~1.07倍で、定員を超えるかどうかは微妙なところだ。

●蓮田松韻 0.47
 出願確定時の平均倍率は0.79倍。
 第2回から確定まで平均して0.24ポイント上がっている。
 予想範囲は0.62~0.85倍で、定員超えはないと予想される。

●鳩山(普) 0.53
 出願確定時の平均倍率は0.55倍。
 第2回から確定まで平均して0.12ポイント上がっている。
 予想範囲は0.56~0.71倍で、定員超えはないと予想される。

●羽生第一 0.69
 出願確定時の平均倍率は0.96倍。
 第2回から確定まで平均して0.19ポイント上がっている。
 予想範囲は0.84~0.95倍で、定員超えはないと予想される。

●飯能 0.88
 飯能、飯能南の統合初年度なので過去データがない。
 0.88倍からのスタートであれば、定員を超える可能性はある。

●富士見 0.55
 出願確定時の平均倍率は0.95倍
 第2回から確定まで平均して0.26ポイント上がっている。
 予想範囲は0.70~0.93倍で、定員超えはないと予想される。

●松山 0.90
 出願確定時の平均倍率は1.02倍。
 第2回から確定まで、上がる年と下がる年がある。上がる年で0.03ポイント、下がる年で0.05ポイント。
 予想範囲は0.85~0.94倍で、定員を超えるかどうかは微妙なところだ。
 理数科からの流入も考えられるが、40人募集に対し希望者50人で1.25倍と理数科7校中最低倍率なので、多くは期待できない。普通科の倍率が最低でも0.95倍を超えないと、学校全体として定員割れになる可能性がある。  
  
●三郷 0.60
 出願確定時の平均倍率は0.90倍。
 第2回から確定まで平均して0.21ポイント上がっている。
 予想範囲は0.76~0.86倍で、定員超えはないと予想される。

●三郷北 0.95
 出願確定時の平均倍率は1.07倍。
 第2回から確定まで平均して0.08ポイント上がる。
 予想範囲は0.93~1.14倍で、定員を超える可能性の方が高い。

●妻沼 0.47
 出願確定時の平均倍率は0.83倍。
 第2回から確定まで平均して0.28ポイント上がっている。
 予想範囲は0.69~0.82倍で、定員超えはないと予想される。

●八潮(普)
 出願確定時の平均倍率は1.01倍。
 第2回から確定まで平均して0.13ポイント上がっている。
 予想範囲は0.82~1.04倍で、定員超えの可能性は僅かだがある。

●和光 0.79
 出願確定時の平均倍率は0.95倍。
 第2回から確定まで平均して0.21ポイント上がっている。
 予想範囲は0.89~1.17となるが、0.79倍からの定員超えはかなり厳しそうだ。

◆大逆転の条件は
 昨年、第2回調査の段階で普通科33校ほどが定員割れ状態だったが、そのうち9校が確定時において定員を上回った。

 桶川  0.97→1.00
 春日部女子(普)0.87→1.01
 春日部東(普) 0.99→1.06
 川口東 0.87→1.02
 志木  0.98→1.08
 杉戸  0.95→1.04
 羽生第一0.87→1.04
 日高(普)0.88→1.03
 妻沼  0.69→1.02

 0.69倍から挽回した妻沼を別格とすれば、挽回できる下限は0.87~0.88倍であったことが分かる。
 だが逆に、第2回で0.90倍を超えていながら、結局定員割れを脱することができなかった例もある。

 川越西 0.95→0.97
 深谷  0.94→0.94
 宮代  0.95→0.95
 鷲宮  0.91→0.98

 あと僅かなのだが、ここが難しいのだ。
 仮に0.8倍以下であれば、このまま定員割れ状態が続くと考える受験生が多くなる。つまり、そのまま志望校を変えないか、他から移って来るので倍率は上がる。
 だが、0.9倍を超えていると、もしかしたら定員を超えるのではないかと考え、回避する受験生も出て来る。結果、倍率は動かなかったり、かえって下がったりする。

 できれば超低空飛行の学校(1.00~1.10倍付近)も取り上げたかったが、ベースになるデータを作成するのに時間がかかる。
 明日以降の課題だ。