倍率予想を続ける。
 予想と言っても当てることを目指しているわけではない。
 過去のデータから傾向を探り出し、今後の先生方のご指導や対策に役立ててもらえればという思いから続けている。

 今日スポットを当てるのは、第2回調査時点において定員割れには至っていないものの、1.00倍から1.09倍程度の低倍率となっている学校である。
 とりあえず対象は普通科のみである。

 本番(出願確定時)に向けて、プラスマイナス0.05ポイント程度の増減はよくあることだから、仮に1.00倍ちょうどだとすれば、1.05倍前後まで上がる可能性もあるし、逆に0.95倍前後まで下がる可能性もある。
 では実際、前年(令和4年度入試)では、どうだったのか。
 それを調べてみた。

【前年(令和4年度入試)の動き】
 数字は矢印を挟んで左側が第2回調査時点の倍率、右側が出願確定時の倍率である。
 また、増減も記した。

川口北   1.04→1.27 +0.23
春日部   1.05→1.26 +0.21
熊谷    1.00→1.10 +0.10
久喜    1.00→1.09 +0.09
所沢中央  1.07→1.14 +0.07
上尾南   1.01→1.05 +0.04
狭山清陵  1.09→1.13 +0.04
草加南(普)1.06→1.09 +0.03
松山女子  1.05→1.08 +0.03
熊谷女子  1.07→1.08 +0.01
坂戸西   1.04→1.05 +0.01

上尾鷹の台 1.05→1.05 ±0
秩父    1.05→1.05 ±0
鶴ヶ島清風 1.01→1.01 ±0

松伏(普) 1.00→0.99 -0.01
坂戸(普) 1.09→1.07 -0.02
三郷北   1.05→1.03 -0.02
越谷東   1.04→1.00 -0.04
松山(普) 1.06→1.01 -0.05
朝霞    1.06→0.98 -0.08

 前年(令和4年度入試)では、第2回調査時点で、1.00倍~1.09倍の学校が20校あった(普通科)。
 このうち11校(55%)は、出願確定において倍率が上がった。
 3校(15%)は変わらなかった。
 6校(30%)は、出願確定時において倍率が下がった。

 上昇幅が大きかった上位3校は川口北、春日部、熊谷であった。
 元々、定員すれすれの低倍率ではいけない学校であるから、上がって当然だろう。
 熊谷は大きく上がったが、熊谷女子はほとんど変わらなかった。

 下がった学校は6校だったが、このうち松伏(普)と朝霞の2校は定員割れとなった。
 朝霞の定員割れは想定外だった。1.06倍であれば、そこから上がってもおかしくない学校だ。
 松山(普)は大きく下がったが、ぎりぎり1.01倍で踏みとどまった。

 1.00倍は全員合格であるから、その学校を第一に希望した受験生は、積極的に動こうとはしないだろう(志望校を変えないだろう)。
 一方、より上位の学校を第一に希望していた受験生のうち、一定割合は、合格の可能性が高いと思われる低倍率校に移ってくるだろう。
 よって、第2回調査で定員すれすれであった学校は、出願確定時において倍率が上がる可能性の方が高い。
 坂戸、松山、朝霞といった中堅上位と言っていい学校が、1.06~1.09倍という決して高くない倍率から、さらに下がったのは、予想外ではあった。

 さて、以上を踏まえて、今回第2回調査で1.00倍~1.09倍であった学校を見てみよう。

【今年、第2回調査における低倍率校】
1.09倍 川口青陵
1.08倍 春日部
    鷲宮
1.07倍 久喜
    宮代
1.06倍 深谷
1.05倍 上尾鷹の台
    日高(普)
1.04倍 ふじみ野(普)
1.03倍 朝霞西
    熊谷女子
    越谷東
    坂戸西
    所沢西
1.02倍 松山女子
1.01倍 熊谷
    鴻巣女子(普)
1.00倍 春日部女子(普)
    庄和
    松伏(普)

 青字で示した学校は前年同期も1.00~1.09倍であった学校である。
 学校数としては前年と同じ20校である。

 確実に上がるのが春日部。繰り返し述べているが、県外生の出願が見込まれる。
 朝霞西、熊谷も過去の確定倍率を見る限り、上がるとみていいだろう。
 川口青陵、鷲宮、宮代、深谷あたりは、やや高過ぎの感があるので、下がる可能性が高い。
 定員割れまで一気に下がるのは、例年1~2校あるかどうかだが、どこがそれに該当するかは予測が難しい。