「よみうり進学メディア埼玉版」専門高校を訪ねるシリーズ。
2校目は川越工業高校。
◆特徴的なデザイン科と化学科
創立は明治。今年で119年目となる。
前身は県立川越染織学校。繊維産業が主力産業だった時代、技術向上や人材育成などで地域経済を支えた。
大正に入り県立工業学校、昭和に入り県立川越工業学校と変わり、戦後、県立川越工業高校となった。
学科は、デザイン科・化学科・建築科・機械科・電気科の5科体制。
5学科のうち、機械科と電気科は、ほぼすべての工業高校に設置されている学科だ。建築科を擁する工業高校も多い。
同校の特徴はデザイン科と化学科があることだろう。県内の工業高校の中でデザイン科があるのはここだけ。化学科があるのはここと久喜工業だけ(久喜工業は工業化学科)。
(注:昭和58年にできた新座総合技術高校には「デザイン科」があるが、学校自体は、工業系・商業系・家庭系の学科で構成される複合型専門高校である)
◆その歴史と関係があった
私は長いこと、受験生の皆さんに学校の内容について知らせる仕事をしていながら、工業高校にデザイン科がある理由を説明することができなかった。
しかし、川越工業高校の歴史を学ぶことによって、その理由がよくわかった。
前述したように、学校の原点は染織学校だ。最初に染織科ができて、次に「図案科」ができた。
これはちょっとした驚きだ。明治時代に「図案科」、すなわち現代語で言うところの「デザイン科」があったのだ。後からできた新しめの学科だろうと勝手に思っていたが、まったく逆だ。川越工業の原点とも言うべき学科だったのだ。
また、デザイン科の内容に、「グラフィックデザイン」や「プロダクトデザイン」の他に、なぜ「テキスタイルデザイン」が含まれるのかをよく理解できていなかった。
しかしこれも、原点が染織学校であったことを思い出せば、テキスタイル(織物の;繊維の)デザインが含まれることに納得が行くわけである。
では、必ずしも工業高校っぽくない「化学科」はどうだ。
が、これはもう、すぐに答えが導ける。繊維に染色する技術は化学そのものではないか。水溶性の染料がいったん繊維に吸収されると、あら不思議、今度は水で洗っても溶け出さなくなる。この学校に機械科や電気科よりも先に応用化学科が設置されたのは当然なのである。
このように歴史の古い学校は、調べれば調べるほど、いろいろな発見があって面白い。
今日は学校中を案内してもらい、たっぷりと説明も受けた。
よって、この10倍くらい材料はあるのだが、それはまた別の機会、別の場でということにしよう。

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