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さいたま市の職員採用試験に関する記事だ。
受験者減、人材確保へ新区分…さいたま市職員採用試験に「プレゼン枠」新設 3日から受験案内を配布、公開(4月1日 埼玉新聞)
さいたま市の大卒程度の採用は、これまで行政事務Aと行政事務Bの2区分だったが、これに行政事務Cを新設し、AやBには無いプレゼンテーションを試験科目に加える。
東京都庁でも確か同じようなことを始めた。
流行なのだろう。
それにしても、そんなに応募者は減っているのだろうか。
政令指定都市でもあるし、応募者は殺到しているのかと思いきや、意外だ。
市役所や町村役場は、その域内に住んでいれば仮に異動があったとしても基本職住近接だし、給与も悪くないし、無茶な残業も少ないし、解雇される心配もないし、いい職場だと思うけどね。
では、新聞記事だけでは分からない現状を見てみよう。
さいたま市ホームページにデータがある。
行政事務Aの倍率
令和2年度 3.2倍
令和3年度 5.2倍
令和4年度 3.5倍
行政事務Bの倍率
令和2年度 12.1倍
令和3年度 11.9倍
令和4年度 9.4倍
さらに前の倍率が分からないが、まあ低下していると言えば、確かにそのように見える。
そこで、応募者の減少を試験方法の変更に回復させようとしているわけだ。
だが短期的、いや瞬間的には効果があるかもしれないが、長くは続かないだろう。
◆人気低下は募集方法では回復できない
応募者減少を、試験日程や試験方法で回復しようという試みは、私立中高でも行われてきた。
さまざまな事例があるが、一般的に言えば、その効果は持続しない。
仮に試験日程や試験方法の変更によって、ある学校がある年に急激に応募者を増やしたとしても、持続するのはせいぜい2,3年だろう。
もしかしたら1年限りかもしれない。
どこかの学校が成功をおさめれば、すぐに他校が追随するからだ。
大した努力を必要としない改革は、誰でも真似ができるので、そんなものが長続きするはずがない。
試験日程や試験方法の変更による応募者増加策を全否定つもりはない。
だが、これはその学校が応募者減に至った根本原因を解決するものではない。
鎮痛剤で痛みを止めても、病気が治ったわけではないのと一緒だ。
集まらない理由をどれだけつぶせるか。
集まる理由をどれだけ作れるか。
まずこの二つの課題に取り組み、その上で合わせて試験日程や試験方法の改善を図る。
そういう段取りだ。
私はこのブログで、説明会の開催時期や回数、内容についてうるさく言っている。
が、実のところ、これだけで人気が回復するとは思っていない。
集まらない理由をつぶし、集まる理由を作るという作業を同時並行で進めて行かないと、効果は短期的なものに終わるだろう。
というわけなので、さいたま市の場合も愚策とは言わないが、職場としての(仕事としての)魅力づくりを合わせて行っていかないと、一時の話題で終わるだろう。
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