一部の人には嬉しいニュース。
 6月16日、令和5年度埼玉県公立教員採用試験の志願者数が発表された。
 令和5年度実施(令和6年度採用)の埼玉県公立学校教員採用選考試験の 志願者数について(県教委HPへ)

 上記資料の詳細はこちら。
 志願者状況の詳細(同)

 倍率だけを見ると、
 小学校 1.9倍 → 2.1倍
 中学校 4.0倍 → 4.0倍
 高校  4.4倍 → 4.7倍
 特別支援2.1倍 → 1.9倍
 養護  6.7倍 → 7.9倍
 栄養  7.2倍 → 9.7倍
 合計  3.0倍 → 3.2倍
 といった具合で、中学校が変わらず、特別支援が低下、それ以外は上昇している。これは、どの校種、職種も採用見込み数が前年より少ないためである。

 志願者人数で見ると、
 小学校 -130人
 中学校 -119人
 高校  -59人
 特別支援-40人
 養護  -14人
 栄養  +11人
 合計  -351人
 と、栄養教員を除き、いずれも減らしているわけである。
 マスコミ的には、ここがツッコミどころだろう。
 進まない待遇改善が嫌われた。
 ブラック職場が嫌われた。
 と書いておけば、PVが稼げる。

 公務員希望者と民間企業希望者とは、昔から両立できない関係にある。
 (こういうのトレードオフって言っていいのか?)
 つまり、両方が増えるということはなくて、どちらかが増えれば、どちらかが減るという関係を繰り返している。

 景気が良ければ民間企業が増え、不景気なら公務員が増える。
 はるか昔話で恐縮だが、私の頃はオイルショックの後で、不景気感が漂っていたので公務員人気、教員人気はものすごく高かった。
 
 昨今、民間企業はなんだかんだで好調なわけだから、そういう時は公務員希望者はある程度減っても仕方ない。
 加えて、これだけ教員の働き方や待遇が叩かれれば、やっぱりやめておこうかと思う若者が出てきても不思議ではない。
 
 生徒募集に関して、質と量の両面から見ていかなければならないといつも言っているわけだが、教員採用に関しても同様のことが言えるのではないか。
 志願者数とか倍率は、量の面を見ているのだが、質の面はどうなのか。
 たしかに量的に増えれば、ボーダーラインが上がって下がカットできるので、全体として質が向上したと言えなくはない。
 ただそれは、志願者全体の質が担保されている場合である。

 量が減った上に質も低下しているとしたら問題は深刻だ。
 量は数字で分かるが、質の変化はどうなっているのか。
 そのあたりが気になるところだ。