先月、西武文理高校に行き、今春新校長に就任したマルケス・ペドロ先生にインタビューした。
 その時の模様が、「よみうり進学メディア埼玉版7・8月合併号」に掲載されている。
 同紙WEB版でも見られる。
 ただしこれは、中学生向けの記事なので、先生方はスルーでいいと思う。

「西武文理マルケス校長インタビュー記事」(よみうり進学メディアWEB版)

 ここからは大人向け。
 
 前校長の柴田誠先生は、元都立高校の統括校長だった方。
 (都立高校には、ただの校長ではなく、校長の中の校長みたいな役職があるんだね)
 4年間務められたと思う。
 任期の大半はコロナ下ということでご苦労も多かったでしょう。お疲れ様。

 そして今度は、系列の西武文理大学の先生からの転身であるブラジル人・マルケス先生。
 同校初の外国人校長だ。
 埼玉初かどうかは、調べてみないと分からないが、レアケースであるのは間違いない。
 ただ、グローバル化が叫ばれる中、いつこのような人事があっても不思議ではない。
 スポーツの世界やビジネスの世界では、今や外国人監督や外国人社長など当たり前だ。

 お時間のある方は、インタビュー動画をご覧いただきたい。
 
 インタビュアーである私の声はきれいにカットされているが、マルケス校長の視線の先にいるのは私だ。
 当日はムービー専門のカメラマンも同行し、きちんとライティングしてピンマイクも付けてと、結構本格的な撮影だった。
 (撮影はこちらでやると読売の方は言っていたが、ここまで本気出すとは)

 50分ほどのインタビューが12~13分にまとめられている。
 8割方カットされているのが残念だが、これがぎりぎりの尺(長さ)だろう。

 私もいろいろな先生方にインタビューさせてもらっているが、ここまで情熱的に語る先生は少ない。
 日本愛がすごい。
 たしか「私は日本で死にたい」と言われていたと思う。
 大好きな日本は、こんなはずじゃない。
 世界に誇れる歴史や文化がありながら十分に生かされていない。
 そのためには教育を変えなければならない。
 私はまず西武文理を変える。

 説明会などでもこの調子で語るのだと思う。
 受験生や保護者の皆さんの中には、それだけでこの学校にほれ込んでしまう人もいるかもしれない。

 動画をご覧いただければ分かるが、仰っていることは、他校の校長先生らが考え、語っていることとそれほど大きくは違わない。
 私にはそう聞こえたし、「うちの学校でもやっているよ」と思われる方も多いだろう。
 だが、プレゼン力、と言うか、伝える力がすごい。

 言葉を並べれば伝わるというものではない。
 私はよく「理性よりも感性に訴えたほうがいい」と言っている。
 決して理論を軽くみるわけではない。
 しかし、心に響くということも同じかそれ以上に大事なのだ。

 老化により感性が衰えた私などは、誰が何を言おうと、驚くことも無ければ感動することもない。
 だが、感受性豊かな若い人たちには、こうして身振り手振りを加えながら熱く語るということも必要なのだ。

 このブログの読者の中には、管理職の方や元管理職の方もいらっしゃると思う。
 教育的理想を実現するためには、組織を動かすマネジメント力が必要だ。
 野球でもサッカーでも、監督だけでは何もできない。
 どんな優れた戦略戦術があっても、やるのは選手なのだ。

 理想を掲げる人が必要だ。
 戦略、戦術を立てる人も欠かせない。
 しかし、最後はこれを教室に持ち込まなければならない。
 授業や生徒指導に落とし込まなければならない。
 それが出来るのは先生だけ。

 ということで、最後は西武文理の先生方へのエールで締めくくろう。