昨日の続き。
 では、さっそく本題に入る。
 表を再掲しておく。

◆年少割合12%以上、老年割合25~29.29%
(Bグループ)
 昨日(前編)で紹介した7市2町をさしあたり「Aグループ」と呼ぶことにしよう。
 そして、ここで紹介するのがそれに次ぐ「Bグループ」である。。

三郷市(14.1万) 12.6% 27.2%
新座市(16.6万) 12.4% 25.8%
越谷市(34.0万) 12.3% 25.5%
ふじみ野市(11.3万)12.3% 25.5%
白岡市(5.2万)  12.1% 28.3%

 ここでは人口が多い(県内5位)越谷市がもっとも魅力的に映るだろう。特に「越谷レイクタウン駅」周辺は活気がある。叡明高校のすぐそばの川柳小学校などは6年生109人に対し1年生は214人もいる(昨年4月の県統計)。
 塾関係の皆さん、県東部武蔵野線沿線に新教室を開くならレイクタウン一択である。

◆年少割合10~11.9%、老年割合25%未満
(B´グループ)
 年少割合はやや下がるが、老年割合が25%未満であるまちを「B´グループ」(Bダッシュ)としてみた。

川口市(59.3万) 11.8% 23.0%
草加市(24.9万) 11.2% 24.6%
蕨市(7.4万)   10.5% 23.1%

 川口市・蕨市は外国人居住者が多いまちとして知られているが、年少割合を引き上げているのはそれだけが原因ではないだろう。川口駅周辺にはマンションが林立しているが、都内から移り住んでくる若い世代も多い。

◆年少割合10~11.9%、老年割合25~29.9%
(Cグループ)
 Bグループとの違いは年少割合がやや低いこと、B´グループとの違いは老年割合がやや高いことであるが、それほど大きな違いとは言えない。

川越市(35.4万) 11.8% 27.0%
上尾市(22.8万) 11.6% 27.6%
三芳町(3.8万)  11.6% 28.7%
東松山市(9.3万) 11.5% 29.8%
所沢市(34.1万) 11.2% 27.4%
本庄市(7.8万)  11.2% 29.2%
桶川市(7.4万)  11.1% 29.9%
上里町(3.0万)  11.1% 28.6%
鶴ヶ島市(7.0万) 10.7% 29.2%

 人口3位の川越市、4位の所沢市、7位の上尾市はここに含まれる。老年割合も27%台なので当分は「若いまち」を維持できそうだ。
 一方、東松山市、本庄市、桶川市、鶴ヶ島市は老年割合が29%台なので、このままだと次に紹介するDグループに吸収されそうだ。

◆年少割合10~11.9%、老年割合30~34.9%
(Dグループ)
 年少割合はCグループと変わらないが、老年割合が30%を超える。このあたりから、やや「年老いたまち」の雰囲気が漂ってくる。

深谷市(14.0万) 11.4% 30.0%
坂戸市(9.9万)  11.0% 30.1%
鴻巣市(11.7万) 11.0% 30.5%
熊谷市(19.1万) 10.8% 30.2%
加須市(11.1万) 10.8% 30.8%
入間市(14.3万) 10.8% 30.3%
宮代町(3.4万)  10.8% 32.8%
久喜市(14.9万) 10.7% 31.4%
蓮田市(6.1万)  10.6% 32.1%
日高市(5.4万)  10.5% 33.7%
飯能市(8.0万)  10.4% 32.3%
羽生市(5.2万)  10.4% 30.7%
春日部市(22.7万)10.3% 31.3%
狭山市(14.8万) 10.2% 32.0%
横瀬町(0.6万)  10.1% 34.8%
行田市(7.7万)  10.0% 32.5%
杉戸町(4.3万)  10.0% 32.9%
松伏町(2.7万)  10.0% 30.0%

 人口県8位の春日部市、9位の熊谷市がここに含まれている。両市のことは以前の別記事でも書いた。熊谷市には熊谷・熊谷女子・熊谷西、春日部市には春日部・春日部女子・春日部東・春日部共栄と進学面で期待に応えられる高校が揃っており、その点では子育て世代に選ばれる条件の一つを満たしているわけだが、その他の施策に何か問題があるのだろう。

◆年少割合10%未満、老年割合30~34.9%
(Eグループ)
 老年割合はDグループと変わらないが、年少割合が低いのがこのグループだ。

北本市(6.5万) 9.8% 32.5%
神川町(1.3万) 9.5% 32.7%
寄居町(3.1万) 9.4% 34.6%
嵐山町(1.8万) 9.0% 34.3%

秩父市(5.7万) 10.5% 34.7%
美里町(1.1万) 10.5% 33.5%

 秩父市と美里町は年少割合が10%を超えているので本来ならDグループでもいいが、老年割合が高いのでEに含めた。

◆年少割合10%未満、老年割合35%以上
(Fグループ)
 残念だが現状では「年老いたまち」と考えざるを得ない。

皆野町(0.9万)  9.7% 38.8%
幸手市(9.5万)  9.5% 35.6%
川島町(1.9万)  8.6% 37.0%
長瀞町(0.6万)  8.6% 39.7%
小鹿野町(1.0万) 8.3% 40.8%
毛呂山町(3.5万) 8.2% 35.4%
吉見町(1.7万)  8.1% 36.0%
ときがわ町(1.0万)7.9% 40.6%
越生町(1.0万)  7.8% 38.0%
小川町(2.7万)  7.5% 41.0%
鳩山町(1.3万)  7.0% 46.0%
東秩父村(0.2万) 5.7% 46.3%

 かつては毛呂山町、吉見町、ときがわ町(旧玉川村)にも県立高校があった。近々統廃合により皆野町、鳩山町から県立高校がなくなる。しかし、この人口規模や年少・老年割合割合を見ると、近隣や沿線のまちを考慮に入れても、やむを得ないことだと思う。

 幸手市の幸手桜高校、小鹿野町の小鹿野高校、越生町の越生高校及び武蔵越生高校(私立)、小川町の小川高校、毛呂山町の埼玉平成高校(私立)などは、地元や近隣をしっかり固めつつ沿線に活路を求めるしかないだろう。

◆沿線で考える
 ここまで行政的な区分だけで見てきたが、生徒募集では隣接市町村や鉄道沿線も含めた戦略が重要だ。

 地域で言えば、さいたま市や川口市を含む南部地域は急激に人口が減少することはないだろう。西部地区の川越市、所沢市、それに朝霞・志木・和光・新座の4市もさしあたり心配はない。東部地区の越谷市、草加市もだ。唯一心配なのは春日部市。北部地区はどこも苦しい。

 鉄道沿線で言えば、まずは武蔵野線。東は三郷、吉川、間に越谷・川口・さいたまを挟んで朝霞、新座、所沢と「若いまち」が揃っている。
 埼京線も戸田からさいたまを挟んで川越だから、ここも「若いまち」またはそれに近いまちが揃っている。
 高崎線は上尾まではいいが、それより北は厳しい。宇都宮線は久喜次第。

 私鉄はどうだろう。
 東武スカイツリー線(伊勢崎線)は草加、越谷という「若いまち」があるので全体としてはまずまずだ。春日部・久喜・加須・杉戸あたりがもう少し若返ってくれるとさらに活性化する。
 余談だが、久喜は宇都宮線と東武が交わる重要ポイントなのだが、ここにあるのが女子校の久喜高校と総合学科の久喜北陽高校と久喜工業で普通科共学校がない。普通科校だった久喜北陽をなぜ総合学科にしてしまったのだろう。そこが残念なところだ。

 西では東武東上線だ。和光・朝霞・志木・ふじみ野といった「若いまち」を通って川越。そこまではいいが、その先の坂戸・東松山あたりからやや苦しくなる(坂戸からの支線も含めて)。
 西武は新宿線の方は所沢から川越であるから、こちらはまずまずだ。池袋線の方は所沢から、ぎりぎり入間・飯能までで、その先は人が激減する。

◆ゼロサムゲーム
 まちの人口増減は、どこかが増えれば、どこかが減る「ゼロサムゲーム」である。
 高校の募集も基本的には同じ構造だ。

 ただこれが、人口増加の過程であれば、大きく勝つか小さく勝つかで収まる。
 しかし今は少子高齢化の過程である。
 小さくなったパイの奪い合いになるから、小さく勝つか、大きく負けるかになる。

 その意味で、国による本気かつ有効な対策が求められるわけであるが、そんなことはみんな分かっている。
 人口を増やすという選択肢はなさそうだ。
 全体のパイの大きさを維持するのも今となっては無理そうだ。
 残るは減少のスピードを鈍化させることだけ。

 各公私立高校の皆さんは、好むと好まざるとにかかわらず、存続をかけた「ゼロサムゲーム」のプレイヤーなのである。
 そんな中、私の立場は勝ちたい学校を応援することだ。
 そうしないと自分自身の存続が危うくなる。