今日の記事を読む方は少ないだろう。
 対象を思いっきり絞ったからだ。
 差し詰め「ホームページご担当の皆様へ」といったところだ。

 WEBサイト(ホームページ)には、通常「メニュー」がある。
 サイトの一番上にある目次のようなものを「グローバルメニュー」とか「グローバルナビゲーション」などと呼ぶ。
 (パソコンで見た場合だが)

 サイトを訪れた人が目的の情報にたどり着きやすくするのが目的だ。
 メニューは大きく二つに分類することができる。
 「内容別メニュー」と「対象者別メニュー」である。
 「対象別メニュー」は、例えば銀行などであれば「個人のお客様」「法人のお客様」と分けるような場合だ。
 学校であれば「保護者の皆様」「卒業生の皆様」「地域の皆さま」などが考えれらる。

 そんな中、もっとも多いであろうと思われるのが中学生を対象としたメニュー設定だ。
 サイトには多くの人が訪れるが、さしあたり中学生が学校選びのための情報を求めてやって来ると想定した場合、「中学生」が対象の情報であることを明示してあげるのが親切だろう。
 そこで今回は、各校がどんな表示の仕方をしているかを調べてみた(埼玉県公立全日制)。

 以下、多い順である。

1位
【中学生の皆さんへ】42校
上尾鷹の台 上尾橘 上尾南 いずみ 岩槻商業 大宮 大宮商業 大宮南 桶川 桶川西 春日部女子 川口 川口北 川口青陵 川越総合 川越西 川越初雁 川越南 久喜 久喜北陽 熊谷 栗橋北彩 越谷総合技術 越谷南 狭山経済 狭山清陵 庄和 草加東 鶴ヶ島清風 滑川総合 新座 鳩ヶ谷 羽生実業 羽生第一 飯能 日高 深谷 深谷第一 松山 松山女子 妻沼 与野

2位
【中学生のみなさんへ】15校
朝霞 朝霞西 小川 熊谷女子 越谷北 坂戸西 狭山工業 白岡 杉戸農業 草加西 所沢商業 豊岡 新座柳瀬 宮代 蕨

3位
【中学生の皆様へ】8校
浦和商業 大宮武蔵野 春日部東 北本 越谷西 児玉 所沢西 川口市立

4位
【中学生の方へ】7校
伊奈学園 岩槻 浦和 大宮東 春日部 川越 鴻巣

4位
【中学生向け】7校
春日部工業 久喜工業 熊谷西 坂戸 草加 深谷商業 三郷北(S)

6位
【中学生の皆様】5校
浦和西 所沢北 南稜 八潮南 吉川美南

7位
【受験生の方へ】4校
浦和一女 市立浦和 浦和南 大宮北

8位
【受検生の皆様へ】3校
川越工業 川越女子 幸手桜

8位
【中学生の皆さん】3校
浦和北 所沢 蓮田松韻

8位
【受検生の方へ】3校
越ヶ谷 所沢中央 鷲宮

8位
【中学生へ】3校
浦和東 進修館 秩父

12位
【中学生のみなさん(学校説明会など)】1校
草加南

【中学校(生徒・先生)みなさんへ】1校
大宮工業

【中学生・中学校の皆さんへ】1校
熊谷農業

【受験生・中学生の方】1校
三郷工業技術

【受検生のみなさんへ】1校
入間向陽

【生徒募集(中学生へ)】1校
熊谷工業

【中学生向け情報】1校
川口東

【受験生の方】1校
三郷

【中学生】1校
越谷東

【小中学生の皆さんへ】1校
秩父農工科学

【入学をお考えの方へ】1校
杉戸

【入学をお考えの方】1校
松伏

【熊商を志望する皆様へ】1校
熊谷商業

【本高を希望される方】1校
本庄

【★頑張れ!受検生★】1校
新座総合技術

◆「中学生の皆さんへ」が圧倒的
 もっとも多かったのが「中学生の皆さんへ」で42校。
 2位の「中学生のみなさんへ」が15校だが、「皆さん」か「みなさん」の違いだけ。
 8位の「中学生の皆さん」が3校だが「へ」があるかどうかの違いだけ。
 以上合わせて60校。
 
 3位の「中学生の皆様へ」が8校だが、「さん」か「様」だけの違い。
 6位の「中学生の皆様」が5校だが、「へ」が付くかつかないかだけの違い。
 4位の「中学生の方へ」と「中学生向け」がそれぞれ7校。
 ここまででトータル80校。 

 「皆様」なのか「皆さん」なのか、「へ」と付けるかどうかはどうでもいい。
 要は、やって来た中学生が目的の情報(おそらく説明会情報が多いと思われる)に迷わずたどり着ければいいのだ。
 越谷東の「中学生」というのは、せめて「中学生へ」にしてあげてほしい。

◆「受験生」か「受検生」か
 一般的に中学3年生は受験生と呼ばれる。
 本人たちもそう自覚しているだろう。
 
 ただ公立高校界隈では「受験(受験生)」と呼ばずに「受検(受検生)」と呼ぶ。
 たぶん「学力検査」を受ける者たちであるから「受検生」なのだろう。
 本人たちに馴染みの「受験生」を使うか、業界用語である「受検生」を使うかの判断は難しいところだ。
 「受験派」は、浦和一女・市立浦和・浦和南・大宮北・三郷・三郷工業技術。
 「受検派」は、入間向陽・川越工業・川越女子・越ヶ谷・幸手桜・所沢中央・新座総合技術・鷲宮。
 やや「受検派」が優勢。

 新座総合技術の「★頑張れ!受検生★」は、気持ちは分かるが、メニューであまり独自性を出さないほうがいいだろう。

◆「対象者別」メニューがない学校
 対象者別メニューを用意していない学校もある。
 目的別メニューでたどり着ければそれでもいいわけである。

 大宮光陵「学校説明会」
 小鹿野「学校説明会」
 越生「説明会・学校案内」
 川口工業「体験入学・学校説明会」
 芸術総合「入試情報」
 鴻巣女子「入学案内」
 誠和福祉「説明会・入学案内」
 常盤「生徒募集」
 ふじみ野「学校説明会」
 寄居城北「学校説明会」
 和光国際「入試・学校説明会関連」

 中学生や受験生に伝えるべき情報が説明会や体験入学だけであれば、これで問題はない。
 常盤の「生徒募集」はどうだろう。「社員募集」「パート・アルバイト募集」のようで、あまり感じが良くない。

市立川越は、どこを探しても説明会情報にたどり着けない。学校ではなく市役所の一部署がページを管理するというシステムは変っていないようだ。まあ、それでも募集は好調だからとりあえず良しとしよう。

上尾もメニューとしてはないが、直下にデカデカと「中学生向け情報はここをクリック」というバナーが張り付けてある。これも一つのやり方だ。

不動岡 は「中学生」とか「入試」「説明会」といった文言が見つからず、「お知らせ」というメニューから入る独自のスタイルで想像力が試される。