偶然だが、同日に加須市の二つの高校が採点に関する話題をホームページ上にリリースしていた。

 一つは花咲徳栄高校(加須市花崎)。

花咲の教育DX ~50クラスで期末考査 全科目 同時デジタル返却 YouMark Personal + Classi + MetaMoji Classroomトリプル連携~ 令和7年12月11日

「YouMark」は佑人者が提供するデジタル採点システム。「Classi」は皆さんご存知ベネッセグループ会社による先生と生徒をつなぐ教育プラットホーム。「MetaMoji」はこれまたよく知られた学習(授業)支援サービス。これらを連携して、テスト返しは一発完了。
 教育のICT化とともに教育DXも進めようという試み。
 教員、生徒共に新たに生み出された時間をどう活用するかが今後のテーマだろう。

 もう一つは県立不動岡高校(加須市不動岡)。

 こちらは、おなじみの校長日誌。

12月11日(木)進取の気風No.431「採点」

 ここも数年前からデジタル採点をしており、採点作業はかなり効率化されているという。
 そういう時代なのだ。
 ただ、関根憲夫校長は、「受験生の立場に立ったとき、採点の効率性と正確性を優先するだけでいいのか」と問題提起している。

 少し昔話をさせてもらうと、私のころは答案を家に持ち帰って採点していた。仕事は学校でやれよと言われそうだが、採点にしろ問題作成にしろ、はたまた教材研究にしろ、学校にいる間にそんな時間が作れるわけがなく、自宅にお持ち帰りということになる。
 今の時代、答案用紙のお持ち帰りなど認められるわけがなく、皆さん学校でやっていると思うが、一体どのように時間を捻出されているのだろう。私立学校だと定期考査の後は、採点日という生徒が登校しない授業無しの日があったりするが、公立にはないだろう。

 さまざまな業務がデジタルに置き換わっている時代だから、採点も例外ではない。
 ただ、昔気質からすると、採点や答案返却は生徒とのコミュニケーションの場でもあるわけで、紙のテストで手採点というのも少しは残して欲しいという気持ちもある(まあ、それをデジタルの世界で実現すればいいだけなのだが)。