今週末の8月22日(土)・23日(日)は、この夏一番の学校説明会集中日となる。
 特に22日(土)は、公私合わせて約50校が、学校説明会、オープンスクール、体験入学、部活動体験、授業体験など、何らかの募集関連イベントを開催する。
 来週には2学期が始まる地域も多い。例えば、さいたま市の公立中学校は8月26日が始業式だから、受験生にとっては事実上、夏休み最後の週末である。

 そして、高校側にとっても重要な週末だ。

◆希望校調査直前の説明会
 なぜ重要なのか。
 埼玉県の場合、1回目の希望校調査が目前に迫っているからである。

 もちろん9月上旬から中旬にかけても学校説明会等は行われる。しかし、この時期は文化祭シーズンとも重なり、意外に説明会の開催数は多くない。
 つまり多くの受験生は、この夏休みまでに学校説明会に参加したり、進学フェアで話を聞いたりして、その中で好感触を得た学校から第一希望、あるいはそれに近い学校を選ぶことになる。
 8月22・23日は、その候補校に入るための最後の大きなチャンスと言っていい。

 私立では22日(土)に22校が何らかのイベントを開催する。
 南部地区では、浦和学院、浦和実業学園、浦和麗明、大宮開成、埼玉栄、栄北、武南など、募集規模の大きな人気校が一斉に動く。
 東部地区も、叡明、開智未来、春日部共栄、昌平、獨協埼玉と、同地域の主要私立校がほぼ勢ぞろいする。花咲徳栄も翌23日に説明会を予定している。

 文字通りの「受験生争奪戦」である。

◆「今までで一番いい」と思ってもらえるか
 もちろん、1学期にも夏休み前半にも説明会はあった。
 だから8月22・23日が唯一の機会というわけではない。
 しかし、生徒募集という観点で考えれば、「今の段階で志願先候補の一つに入っているか」は非常に重要である。

 この日の説明会で学校側がまず目指すべきは、
 「今まで見てきた学校の中で、ここが一番いい」
 と思ってもらうことだろう。

 そして、さらに欲を言えば、
 「もう、これ以上ほかの学校を見に行かなくてもいい」
 というところまで気持ちを高めたい。
 もちろん会場で、
 「今ここで第一希望に決めてください」
 などと言う必要はない。
 むしろ、そんなことを言えば逆効果だ。

 学校の教育内容、生徒の姿、先生方の対応、施設、進路実績、部活動などを見てもらった結果として、受験生自身が「ここにしよう」と決意する。
 そういう説明会でありたい。

◆決断を先延ばしにしてはいけないのは高校側も同じ
 受験生にはよく、「そろそろ第一希望を決めよう」、「いつまでも迷っていてはいけない」と話す。
 それはその通りである。

 だが、決断を先延ばしにしてはいけないのは高校側も同じだ。
 この時期になってまで、「今日は学校を知ってもらうだけで結構です」、「まだ時間がありますから、いろいろな学校を見てください」
 という姿勢でいいのか。

 私立はそのあたりが比較的はっきりしている。
 入学してほしいから説明会を開いている。
 だから、自校の良さを最大限伝え、「ぜひ本校へ」というメッセージを発する。

 一方、公立高校では時折、「ほかの学校もよく見て、自分に合った学校を選んでください」といった言葉を聞く。
 一見すると、とても良心的で教育的な発言に思える。
 だが、この時期にわざわざ足を運んでいる受験生は、少なくとも「この学校を受けようか」と考えている生徒である。
 その生徒に対して、こちらから「ほかも見たら」と言う必要が本当にあるだろうか。

◆「選んでもらいたい」と言っていい
 もちろん、無理に囲い込めと言っているのではない。

 自校の教育方針に明らかに合わない生徒まで引き込む必要はないし、本人にとってもっと適した学校があるなら、それを考えてもらうことも教育的配慮だろう。
 しかし、それと「自校を選んでもらいたい」という意思を示すことは別問題である。

 「本校にはこういう教育がある」
 「こういう高校生活を送ることができる」
 「こういう生徒に来てほしい」
 「そして、あなたにもぜひ来てもらいたい」
 そこまで伝えて初めて、募集のための説明会ではないか。

 受験生は学校から選ばれる立場であると同時に、学校を選ぶ立場でもある。
 高校側は、選ばれる努力をしなければならない。
 8月22・23日は、その意味で、この夏最後の大勝負だ。
 受験生に決断を求めるなら、高校側も覚悟を決めるべき時期に来ている。