今日の記事は、主に塾の先生方向けである。

 埼玉県教育委員会から、「令和9年度入試についてのQ&A(令和8年8月19日掲載)」という資料が発表されている。毎年出ている資料である。が、入試改革が行われる今年度はいつもより発表時期が早い。

 質問内容は大きく19項目に分類されている。
 例年と異なるのは、新たに「0.入試制度の変更」、「10.面接」の2項目が追加されたことである。
 夏季講習でお忙しい塾の先生方であるが、特に「10.面接」の部分は、塾生や保護者からの質問も多いところだと思われるので、ぜひ、ご一読いただきたい。

0. 入試制度の変更
1. 日程・募集人員等
2. 出願資格
3. 出願書類・出願の手続
4. 入学選考手数料
5. 隣接県の隣接学区からの出願
6. 県外の中学校からの出願(「隣接県の隣接学区からの出願」以外)
7. 海外の日本人学校等からの出願
8. 志願先変更
9. 学力検査・追検査
10. 面接
11. 選抜の資料(調査書の扱いなど)、方法
12. 入学許可候補者の発表
13, 帰国生徒特別選抜による募集
14. 外国人特別選抜による募集
15. 不登校の生徒などを対象とした特別な選抜による募集
16. 定時制の課程における特別募集
17. 学力検査の得点の閲覧
18. その他の質問

◆面接に「自己評価資料」を持ち込める
 面接に関するQuestionは14項目あるが、新情報となるのは次の項目だろう。
 「Q10-10:面接(「My Voice(マイボイス)」)の際に、自己評価資料を持ち込んでもよいですか。また、それを読んでもよいですか。
 回答はつぎのとおり。
 「検査会場へ自己評価資料を持ち込むことは可能です。ただし出願時に提出した内容と同一のものに限ります。また、持ち込んだ自己評価資料を、形式的に読み上げるのではなく、これまでの体験を振り返り、力を注いだことや将来取り組んでみたいことなど、できるだけ自分の言葉で表現することを心掛けてください。」

 以前、「マイボイス 早い話が自己紹介(令和8年7月23日)」という記事を掲載したが、この中で、「面接には手ぶらで臨まなければならないのか。提出した自己評価資料の下書きや、話したい内容を簡単にまとめたメモを持ち込むことはできないのか。いざというときには、それを見てもよいという運用にはならないのか。そうじゃないと面接が暗記大会になってしまう」と、書いた。
 が、県教委の賢明な判断により杞憂に終わった。

 ここまで、県教委並びに公立高校側は、「公立入試が大きく変わるぞ」と言って、受験生を脅かした。「全員に面接を課すぞ」と言ってプレッシャーをかけた。さらに、「マイボイス」などという、中学生が生まれて初めて聞く言葉を使って不安のどん底に突き落とした。
 そこまでして公立希望者を減らしたいか。
 と、思っていたが、不安解消とまでは行かないが、緩和の方向に進んで一安心。

◆多面的評価って、どうやるの?
 「11.選抜の資料(調査書の扱いなど)、方法」の中に、「多面的評価」という言葉が出てくるが、これまた難しい。

 「Q11-9:中学校時代に何かの委員会に入ったり、生徒会役員をやったりすると有利ですか」
 「Q11-10:地域のクラブチーム等における実績は評価してもらえますか」
 「Q11-11:検定試験に合格した場合、評価されますか」
 以上は、受験生・保護者としても非常に気になるところであるが、それに対する回答は、いずれも「そのまま評価するわけではありません。実績に至るまでの過程(プロセス)や意欲、身に付いた力、学びにむかう力などを面接において多面的に評価します」となっている。

 例えば、英検準二級を取得していたとして、評価されるのか、それとも無視されるのか。
 受験生としてはそこが知りたいわけだが、その疑問には、明確には答えていない。

 自己評価資料の下書きを持ち込めるのはプラス材料だが、「実績をそのまま評価しないが、面接において多面的に評価する」という「謎の評価システム」が、引き続き受験生を悩ませることになりそうだ。