埼玉県公立入試も先週の学力検査で一段落。
3月1日に合格発表があり、4日の追検査が終われば欠員募集が残るだけだ。
追検査はインフルエンザ等に罹患し当日欠席した受験生だが全県で百数十人、1校当たり1人か2人。追検査対象者がいない学校もある。
塾関係者とおぼしき方が「追検査(合格者)の分を見込んで、通常受験者の合格は少なめに出す」などとどこかで言われていたが、そんなことはない。
県は、「追検査の入学許可候補者は、原則、募集人員の枠外で決定する」と発表している。
さて。
例年この時期は入試データ中心の記事が多くなる。
そのためGoogle検索などでやって来る方が飛躍的に増加する。
が、それもようやく峠を越えたようで訪問者数、PV数も通常に戻りつつある。
◆この時期、公立は学校HPの更新なし
さあ、そろそろ平常運転に戻ろうかとネタ探しのため公立ホームページをざっと眺めてみた。
が、どこの学校も新着情報がない。
学力検査が行われた21日あたりでストップしている。
インスタなどは過去ネタを再利用するなどして継続しているようだが、ホームページの更新はない。
まあ当然と言えば当然だ。
一つの理由はこの期間、生徒が臨時休業で学校に来ていないことだ。
生徒が来なければ、発信すべきトピックもない。
それともう一つは、主たる読者と想定される受験生たちは、今きわめてナーバスになっていると思われるので、不用意な情報は流せないということもあるのだろう。
それでいいと思う。
年間に数日、そのような時期があってもいい。
今は他の事を一切考えず、3月1日の合格発表までは入試業務に集中していただきたい。
◆ホームページは「詳しさ」を追求する
で、それが終わったら。
ホームページのメニュー、コンテンツなどの見直しに入ってもらいたい。
もちろん年度末・年度初めの〇人的な忙しさを知らないわけではない。
だが、ここでやらなければいつやるのかという話だ。
以前にも書いたが、私の予想に間違いがなければ、学校ホームページに残された最後の役割・機能は「詳しさ」である。
別の言い方をすれば、フロー情報よりもストック情報である。
日々流れていく情報は、インスタなどのSNSで、一定程度代替できる。
しかしSNSでは詳しい情報は流せない。
やって出来ないことはないが、それでは見る人がいなくなる。
じっくり見る。そういうメディア(媒体)ではないからだ。
人に興味を持ったら、根ほり葉ほり詳しく知りたくなるだろう。
それと同じで学校に興味を持ったら、もっと詳しく知りたくなる。
どんな細かいことも知りたくなる。
それで本当に好きになる。
なのに、現状ホームページの「薄味あっさり感」は何なのだ。
全部の学校とは言わないが、そういう学校は多い。
たとえば「学校概要」。
ほとんどの学校に設けられているメニューだが、言葉通り「概要」だけの学校がある。
ここは「概要」ではなく「詳細」でなければならない。
中には「概要」と言いながら相当に細かい学校もあるが、多くは「あらまし」に終始している。
受験生はそこまで求めていない。
それはそのとおりだろう。
だが、WEBサイト(ホームページ)は受験生だけが見るものではない。
在校生、保護者、卒業生、行政やマスコミ、企業や地域と広範な読者がいるのだ。
◆「中学生の皆様へ」があるが「企業の皆様へ」はないのか
たとえばの話、就職者の多い専門高校であれば「企業の皆様へ」といったメニューがあってもいいだろう。
大学などでは結構当たり前にあるのだが、ほとんどの専門高校にはそれがない。
これから卒業生を採用しようかという企業担当者に、受験生目線(中学生目線)に立った学科紹介、教育内容紹介でいいのかと思う。
「中学生(受験生)の皆様へ」は、それはそれでいいが、生徒たちのより良い就職を考えたら、企業向け広報があってもいいだろう。
それこそ、どこの企業から採用話や連携・提携話が舞い込むか分からないではないか。
WEBサイト(ホームページ)で出来ることはまだいくらでもあるのにもったいない。
学校ホームページの課題は「詳しさ」にもう一つ加え、広範なステークホルダーを意識した設計である。
先日、狭山工業のホームページを見ていたら、トップに「中学生・受験生向けホームページへ」という表示があった。どうやら別サーバーで運用しているようだ。
URLが県立学校でおなじみの「spec.ed.jp」ではなく、「jimdo.free.com」となっている。
jimdo(ジンドゥー)は元々ドイツ企業で、日本ではKDDIのグループ会社と提携しているようだ。無料ホームページ作成ツールをリリースしている。
この実例の是非はともかくとして、「中学生・受験生のためだけのホームページ」から、中学生・受験生を特に需要の多い一顧客ととらえ、それらを別サイトや専用ページに誘導する考え方に移行するのも今後の検討事項の一つではないかと思うのである。
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