埼玉県公立高校入試はすでに学力検査が終わり、明日から採点、そして選抜会議を経て週末の3月1日に入学許可候補者(合格者)が発表される。

 単願などで私立の入学手続きを終えた人を含め、多くの中学生が受験勉強からは解放された。
 公立合格発表の後には、合格者は公立の、不合格者の大部分は保留しておいた私立の手続きをするから、この時点で受験生という呼称も過去のものとなる。

 しかし、こうした流れ(スケジュール)は、ご存じの通り首都圏特有のものである。
 関東地方では神奈川県が全国のトップを切って2月14日に入試を行う。同28日にはこれまた全国一早く合格発表を行う。
(なお、下の表も含めてだが、各都道府県の入試制度はさまざまで、推薦と一般、前期と後期といった形で複数回の入試を行う場合がある。ここでは5教科の学力検査を伴う、いわゆる一般募集を中心に考えている)

 神奈川に続いて千葉、東京、埼玉の入試が21日までに行われ、群馬、茨城も2月中に試験を終える。
 だが、これは全国的にみれば異例の早さであり、多くの道府県ではこれから入試(学力検査)を迎える。

 ピークは3月5日で18道県、次いで6日が7県、7日が7府県、この3日間合計は何と32道府県に達しており公立高校入試シーズンは正にこの時期なのである。
 各都道府県教育委員会HPを閲覧し、作ったのが下の表だ。
(学力検査等が2日間に及ぶ場合は、早い日程を採用した)

 学力検査が3月第2週ということになれば、合格発表はその1週間後からとなり3月13日から16日あたりに集中する。
 ということは、進路先未定のまま卒業式を迎える可能性ありということだが、そこまでは調べていない。
 いずれにしても、首都圏感覚からすると、高校入学までの時間は短い。

 首都圏は非常に交通網が発達しているから、通勤にしても通学にしても県をまたいでの移動が活発である。一都三県はまとめて一つの経済圏を形成している。そういう中で、各都県が個々バラバラに入試日程を設定したのでは受験生が混乱する。そうなると、制度やしくみはともかく日程ぐらいは調整したほうがよかろうとなり、首都圏全体の流れ(スケジュール)が決まって来たのだろう。
 一都三県の公立日程というだけなら、こぞって遅らせるという手もありそうだが、数的にも多い私立の意向が無視できないのも首都圏ならではの事情だろう。

 話変わって、埼玉の(元)受験生たち。
 全国の中学生と比べると、高校入学までの猶予期間が2~3週間ほど多く与えられている。
 考えようでは中途半端な期間とも言える。

 中学校や塾の先生方も、家族の方も、ここにきてああだこうだと口うるさいことは言わないだろう。高校の先生方もまだ口出しできる立場にはない。
 大昔教員だった者としては、この「長過ぎる、自由過ぎる」時間はどうなのかと思うが、その責任は彼らにはない。
 ただの中途半端な期間にならないよう願うのみである。