珍しくどこにも行かない日曜日。
 ネタが思い浮かばないので学校説明会のあり方について考えてみるか。
 内容や演出、配布資料などにどのような工夫が必要か。

 いわゆる対面での説明会。
 リアル説明会。
 昔はこの方式しかなかったが、今はオンライン形式もある。
 インフォメーションの方法もHP・SNSなどさまざまだ。
 となれば、リアルでなければ実現できない企画というものを考えたい。

◆みんなでビデオ鑑賞のあほらしさ
 こいつは最悪というのがビデオ鑑賞。
 「では、生徒会作成の学校紹介ビデオをご覧いただきましょう」
 って、冗談だろう。
 これ、塾説などでも時々ある。
 
 説明スライドの中に数秒の動画が挿入されているのはいい。
 しかし10分もかかる紹介動画をなぜこの場で鑑賞しなければならないのだ。
 わざわざ現地まで足を運んだのに。
 そんなもの後でスマホで見られるではないか。
 
 リアル説明会とオンライン説明会との最大の違いは何か。
 それは、リアル説明会ではすべてを「生で見られる(聞ける)」ことである。
 せっかく実物を「生で見られる(聞ける)」状況を作っておきながら、なぜ映像で見せようとする。
 私には理解できない。

◆何人に声をかけられるか
 学校の印象は挨拶や説明を行う校長や教頭や教務主任や募集担当で決まるのではない。
 みんな役者ぞろいなので、ここでは大差がつかないと思ったほうがいい。
 学校の印象を決めているのは、むしろそれ以外のスタッフである。

 道案内に出ている先生、校門で出迎える先生、受付の先生、それと校舎内ですれ違う先生。
 こういう説明者以外の先生の態度や対応が思いのほか学校イメージに影響するのである。

 すべての先生が、一人一人(一組一組)に声をかけよう。
 「おはようございます」でも「こんにちは」でも何でもいい。
 出来るだけ目を合わせて。

 腕組みするな。
 後ろ手もだめ。
 偉そうに見える。
 いや、先生だから偉くていいのだが、まだ自校の生徒ではなく赤の他人だ。
 今から威張ってどうする。

 かけられた声の数だけ、「来てよかった感」が高まるのだ。

◆主役がスライドや資料になっていないか
 話し手の視線がスライドばかりに向く。
 聞き手の視線も目の前のスライドと手元の資料に集中する。
 結果、話し手と聞き手の目が合うことがない。
 せっかくリアルで開催しているのにお互い目を合わせることがないのはいかにも勿体ない。

 はっきり言っておこう。
 授業では生徒に「覚えて」帰ってもらわなくてはならないのだが、説明会では「覚えて」もらう必要はないのだ。
 「いい学校」だという印象を持ってもらうことが第一で、それに成功すれば家に帰ってからパンフレットやホームページを隅々まで見てくれる。

 以前にも書いたが、「説明会」の「説明」の語に引っ張られ過ぎないことだ。
 表情豊かに、時に身振り手振りを加え、語りかけるように。
 スライドや資料は、聞き違いがないようにするための、あるいは理解を助けるための補助的な手段であって、主役はあくまでも人なのである。
  
 校長挨拶
 学校概要説明
 入試説明
 (合間に生徒の演奏・演技・プレゼン)
 授業見学・施設見学
 個別相談

 この構成・内容はとりあえず変えようがないとすれば、差別化は別のところで図るしかないだろう。