予定通り私学フェア熊谷展に行ってきた。
 会場はキングアンバサダーホテル熊谷。

 熊谷駅北口に降りて駅前通りを真っ直ぐ進むと国道17号線。
 通りを渡ればホテルは目の前なのだが、ここに筑波歩道橋という難所がある。
 ホテルのちょっと先に熊谷女子高校があるが、若い彼女らはなんなくこの難所を越えて行く。
 だが、年寄りには歩道橋の昇り降りは結構きつい。
 今の時代、駅前のメインストリートはスクランブル交差点だろう。
 
 しかし、熊谷は人に厳しい町である。
 「暑いぞ熊谷」と言い、住民や来訪者に暑さへの耐性を求める。
 加えて町の各所に関所のごとく歩道橋を設置し、シルバーカーを押した老人やベビーカーを押したお母さんたちに苦行を強いる。
 「住めるなら住んでみろ熊谷」。 
 「来れるもんなら来てみろ熊谷」 
 と、まあ、ブツブツ言っているが歩道橋の昇り降りを含めても駅から会場までは徒歩5分である。
 これは有難い。

◆存続か廃止か
 私学フェアは8月に日を変え3か所で開催されている。
 大宮会場は県内のほとんどの私立が参加することもあり十分な集客が見込める。
 川越会場も西部地区に私立が多いこともあり集客できる。
 しかし熊谷会場は参加校が少ない。
 北部の私立は本庄に3校、深谷に2校しかないからだ。
 これに北部地区からも受験生を集めたい私立が加わるので12校が参加しているが、川越展の30校、大宮展の47校と比べて見劣りする。

 ホテルの宴会場を2日間借り切ればそれなりに会場費もかかるだろう。
 そう考えれば、参加校が少なく、それに比例して来場者も少ない熊谷展は廃止が検討されてもいいだろう。
 だが、そうすると北部地域全体の地盤沈下に拍車をかけることにもなる。
 そこで今回初めての試みとして公立高校をゲスト(特別参加)として招き、来場者増をはかった。

◆時期を変え、場所を変え
 公立とのコラボがどれほど効果があったかは後日情報を集めるとして、1日目午前に訪ねた印象では意外と人は集まっていた。
 相談待ちの列が長く延びるということはないが、手持ち無沙汰にしているブースもないという状態だ。

 前述したように収支という面から考えれば熊谷展は撤退だろう。
 公立とのコラボがそれなりに効果的だということであれば、目と鼻の先の熊谷女子高校を会場として借りるという手もある。(そう簡単ではないと思うが)

 存続させるのであれば時期を変えたほうがいい。
 夏休みはこの種のフェアや合同説明会に適した時期ではない。
 夏休みは学校ごとの説明会や体験入学の時期である。
 実際、今日も公私合わせて49校が説明会やオープンスクールを開催しているのだ。
 今日熊谷展に参加した学校を見ても、開智未来、栄北、東京農大三、花咲徳栄、本庄第一、本庄東、武蔵越生などはこの日、自校でも何らかのイベントを開催しているのである。

 今後も存続させるのであれば、この時期、つまり夏休みに入って最初の土日は避けなければならない。
 来年もこのタイミングだと多くの学校の説明会等とバッティングするのは確実だ。
 思い切って5月とか、4月に繰り上げたほうが集客は期待できる。
 春休みでもいい。

 東部地区私立は毎年4月29日に「東部私学の集い」という合同イベントを開催している。
 叡明、開智未来、春日部共栄、昌平、獨協埼玉、花咲徳栄と、単独でも集客が見込める学校たちということもあるが、毎年盛況である。

 募集イベントの集客は3つの要素で決まる。
 1 出展校
  多くの学校が出展し、かつその中に目玉となる人気校が含まれること。
 2 開催時期(開催日)
  開催時期(開催日)が他の募集イベントや中学校の学校行事と重ならないこと。
 3 会場
  会場が駅から近いこと。

  主催の新聞社さんや主管の私学協会さんに口出しできる立場ではないが、「時期が悪すぎるんだよな」というのが実際に行ってみての感想だ。