女子校も大変だが女子大も大変だ。
こちら昨日のニュース。
日本女子大「家政学部」120年の歴史に幕 各学科を学部に独立、9学部16学科に再編(11月18日 産経新聞)
共学化の話でもないし、学部をつぶす話でもない。
単なる学部・学科の再編の話である。
それも、ずっと続けてきた再編の、最後の仕上げが2年後を目途に行われるというだけ。
なのだが、「120年の歴史に幕」と見出しを打てるのがマスコミとしては有難い。マスコミが飛びつくのは基本的には「デカい数字」である。
日本女子大の家政学部は、同大学の原点とも言うべき伝統ある学部なのだが、「家政学」ではいかにも古い。「良妻賢母」という言葉が生きていた時代ならともかく、今どき「家政学」では社会に出てバリバリ働く女性のイメージが湧きにくい。受験の穴場として薦める先生はいても、これからは家政学の時代だと薦める先生はいるまい。いずれ消滅する学部だ。
むろんそんなことは大学自身も分かっており、1992年以降、家政学部内の学科を徐々に学部に昇格させるなど再編を進めてきた。が、それにしても、1992年に着手した学部再編が2028年終了とは、時間かかり過ぎと思うが、どうなんだろう。ゴールが決まっているんだったら、もっとスピードを上げないと、たどり着いたときは、時代はもっと先に進んでいる可能性が高い。
学校をつぶす。学部や学科をつぶす。
こうした大手術は体力が残っているうちにやったほうがいいのは人間と同じだ。
自慢じゃないが、私くらいになると病気になったり怪我をしたりしても手術ができないことがある。それに耐えうる体力がもはや失われているからである。無理に手術などすれば、生かすどころか死期を早めることになりかねない。
大手術は体力のあるうちに。
まだ大丈夫。
厳しい、かなり厳しい。でも、まだ大丈夫。
実はそう思える時が、改革のラストチャンスなのだ。
それを過ぎると、打てる手が急激に少なくなる。
初期ならいくつかの選択肢があるが、末期に至ると打てる手はほぼなくなる。
自身を振り返れば、見切り時を誤って何度も痛い目にあっているので、他人のことなど言えた義理ではないのだが、だからこそ言っておこう。
見切りをつけるタイミングを誤るな。
いや、もう手遅れ。
そんなことはことはない。
手遅れと思えること、手遅れと言えること。それは生きてる証拠。まだ間に合う。

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