中学1・2年生向け入試講演の準備。
 そろそろ始めなくては・・・

 令和9年度、埼玉県では久しぶりに入試制度改革が断行される。
 このような変革の時は、たとえば塾業界にとってはビジネスチャンスの時である。
 また、公私立高校にとっては、世間からの評価を変えるチャンスである。これもまたビジネスチャンスと言っていいものだが、学校は商売ではないので、序列を変える絶好の機会というくらいにしておこう。学校の序列というのはほぼ固定化されており、平時においてこれを変えて行くのは容易ではないが、変革の時はチャンスである。

 令和9年度公立入試改革における変更点について、埼玉県教育委員会は、次のように受験生に伝えている。
1 調査書の様式が変更されます。
  また、事前に自己評価資料を提出してもらいます。
2 すべての受験生に面接を課します。
3 学校ごと選抜の特色化をはかります。

 これを見て、受験生や保護者が真っ先に心配するのが面接だろう。
 無理もない。
 だって、ほとんどの中学生にとって人生初の体験だから。
 どんなこと聞かれるんだろう、どんな風に答えればいいんだろう。
 今から心配しても仕方ないのだが、入試直前まで気をもむことになるだろう。

 次に心配になるのが自己評価資料の提出だ。
 点数化はされないというけれど、では、どういう扱いになるのか。
 まったく関係ない書類を提出させるわけないから、どこかで合否に関係してくるんだろうな。と、普通はそう考える。
 そして、どう扱われるかによって、書き方だって変わってくる。
 県教委は「面接で参考します」と、何とも意地悪な言い方をしている。
 書類そのものは点数はつけないけれど、面接の点数をつけるときの判断材料の一つにしますと、はっきり言えばいいものを、参考にするなどと、どうとでも取れるような曖昧な説明をしている。
 まあ、県教委はいろいろ事情もあってはっきり言えないところもあるだろうから、各学校は、「参考にする」とはどういうことなのかを明確に伝えたほうがいい。

 選抜の特色化。
 面接や自己評価資料なんぞは、改革と言えるほどのものではなく、今回の一番のハイライトはここだろう。
 世間の評価や、学校の序列や、学校イメージを変えようとするなら、ここしかない。
 面接も自己評価資料提出も、全校で実施することであるから、そこでの差別化や特色化には限界がある。
 特色を出せるのは、選抜実施内容だ。
 あまり複雑なのは受験生に嫌われる。
 だから、各校とも、見た目はシンプルであるが、学校の目指す方向をより明確に示すような選抜方法の設計を目指したと思う。

 たとえば公立トップ校の大宮高校。
 普通科の選抜については、令和8年度までは、このような設計になっていた。

 緑色が学力検査の割合を示している。水色が調査書のうち評定の部分の割合。オレンジ色が調査書のうち部活動や資格などに与えられる得点の割合。こう見ると、大宮高校と言えども、結構な点数を部活や資格に与えていた。(もっとも英検は2級以上などと高いハードルを設けることによって、この部分で得点差ができるだけでないようにはしていたが)

 では、令和9年度からはどうなるか。

 緑色の学力検査の割合は同じだが、部活動や資格は点数化されないので、水色で示した調査書のうち評定の部分の割合が増えている。そして、一目で分かるように面接の割合はごく僅か。

 大宮高校あたりになれば、学力検査一本で選抜したいところだろうが、今まで回りくどい方法で合否への影響を抑えてきた部活動や資格が、ある意味正々堂々外せることになったので、学力検査と内申点だけで選抜できるように設計した(と思われる)。このグラフを見れば、面接はほとんど合否に影響を及ぼさないであろうことは容易に想像できる。

 上位校を目指す子は、面接や自己評価資料の心配なんぞしている暇があったら、1・2年生のうちから学校の勉強を頑張って、調査書点(内申点)を上げる努力をしておきなさいということだ。