夏の練習は難しい。これ、ランニングのことですけどね。私の数少ない趣味は走ることで、10月から翌3月にかけて月1ペースでマラソンやハーフマラソンのレースに出場する。 
 若いころは、それほど準備しないで、ひょいとレースに出ても、そこそこのタイムで走れた。

 そこそこというのは、ハーフマラソンなら1時間30分以内、フルマラソンなら3時間30分以内かな。読者の中にランナーの方がいれば、「うん、素人としてはまあまあじゃない」と言ってくれるんじゃないかと思う。ただしこれは40代までの話。

 スポーツをやった人や現にやっている人は分かるはずだが、強くなるためには、いわゆる「自分を追い込む練習」というものが必要だ。ぬるま湯に浸かっているようなユルーイ練習をどれだけ続けても記録は伸びないし、上手くなれない。

 だが、「自分を追い込む練習」はハードだから長くは続けられない。無理に続けると故障につながる。身体がやられるだけでなく心がやられる場合もある。

 さあ、ここまで書けばもうお分かりだと思うが、「練習」は「勉強」に置き換えられる。夏休みに思いっきり「自分を追い込む勉強」をした人には、必ずその反動がやって来るぞ。ヤル気が減退する。何もする気が起こらない。「自分を追い込む勉強」の代償は、まずこんな形で現れるから覚悟しときなさい。

 残念ながら、追い込んでグダグダになって、また追い込んでグダグダになってという繰り返し以外に強くなる方法はないんだよ。
 いつでもベストコンディションなんていうのは、追い込んでない証拠だ。

 年寄りじゃないんだから余力なんて残すなよ。使い果たせ。力を小出しにするんじゃねえよ。

 とまあ、目の前に若いもんがいたらそう言ってやりたいが、こういうやり方、今は流行らんかな。根性論に近いからね。
 誰か科学的に証明してくれればいいのだが。