滅多に行かない塾説明会に行って来た。
 県下有数の大規模校・埼玉栄中高。
 知り合いの塾長から「めずらしいですね」と言われた。
 そのとおり。

 この時期、原稿書きの仕事が多い。
 取材と執筆で手いっぱいだ。

 学校側から見れば塾の先生方は志望者を増やしてくれるかもしれない存在だ。
 が私など、行ったところで、志望者はただの一人も増えない。
 学校側としては、枯れ木も山の賑わい程度の存在なのだ。
 案内状が来るのだから、招かれざる客ではないのだろうが、どうでもいい存在なのだ。

 説明会は11時から始まって12時前には終わった。
 もっといろいろ聞きたいという方もいるのかもしれないが、個人的にはちょうどいいと思った。
 校長挨拶。
 学校説明。
 入試説明。
 内容はこの3つ。

 公立の説明会(受験生向け)にも出かけるので、それとの比較で言うと、私立の先生方の方が圧倒的にプレゼン慣れしている。
 それだけ場数を踏んでいるからだろう。
 
 公立の先生方は「説明会」の「説明」という語に引っ張られ過ぎなのではないか。
 説明とは、不明なこと、分かりにくいことなどを明らかにする行為を言う。
 たぶん、授業はこれに近い。
 一生懸命、スライドや資料を作って、その内容を理解させようとする。

 しかし、学校説明会(塾説明会も含めて)は、説明という名が付いてはいるが、アピールの場だろう。
 分かったかどうかなど、どうでもいい。
 伝わったかどうか、なのだ。

 分かったと、伝わった。
 似たようなものだが、私の中では明らかに違う。

 分からなくても熱意が伝わった。
 意欲が伝わった。
 勢いを感じた。
 これでいい。

 特に塾説などは、文章や資料やデータを見れば、それで十分理解できる人たちが集まっているのだ。
 くどくどした解説など要らない。
 ポイントだけでいい。
 
 受験生・保護者相手だと、多少の解説は必要だが、その場ではどうせ全部は理解できない。
 家に帰ってから、もう一度パンフや資料を読み返してもらうしかない。
 が、そういう行動を起こしてくれるかどうかは、説明会の場でどのような印象を残したかに左右される。
 1ミリも感動や共感が無かったら、だれが資料など復習するものか。
 即ゴミ箱行きだ。

 理解や納得よりも、感動と共感。
 ふだん先生方がやっている授業と、説明会などにおけるプレゼンとの違いは、ここじゃないか。

 ところで。
 今日は県立草加高校が塾対象説明会を行った。
 その様子はホームページで紹介されている。
 「本校の魅力を発信 学習塾対象説明会」
 参加人数は20人に満たないだろう。
 200人超えの埼玉栄とは比較にならない。
 (まあ、比較する必要もないが)

 塾の先生方は公立高校に足を踏み入れる機会が少ないので、貴重な体験にはなっただろう。
 こうやって、すぐにホームページに記事をアップするのもいい。
 記事タイトルは、「本校初の」みたいな言葉を入れると、もっといい。
 「初」というのは、見出しの常套句だが、なぜ用いられるかというと、経験上読者の食いつきが良いことが分かっているからだ。

 「本校の魅力を発信」はどうだろう。
 やったぜ、の感じが出過ぎるから、「本校の魅力伝わったか」でどうだ。
 まとめると、
 「本校の魅力伝わったか、初の塾説明会」