「提灯記事」(ちょうちん・きじ)というものがある。
企業や組織、商品などを思いっきり持ち上げるような記事である。
上の者に媚びへつらう「提灯持ち」から来ているのだろう。
現代風に言うならステルスマーケティングといったところか。
最近読んだ、典型的なのがこれ。
「全国が注目する広島県の教育改革」民間出身の平川理恵教育長は何を変えたのか(フジテレビ解説委員・鈴木款)
「全国が注目」って、一体誰が注目してるんだ。
「名付けて『商業高校アップデート』」(記事より)
「SSR(スペシャルサポートルーム)と名付けた」(同)
「『SCHOOL”S”(スクールエス)』が設置された」(同)
横文字使うと、新しいことやってる風に見える。
もう一本見つけた。
「広島県の公教育」が大変貌、教育長・平川理恵「もっと教委は現場に行け」の真意 国際バカロレア、イエナプラン、不登校支援ほか(東洋経済オンライン)
「まず行ったのが学校訪問だ。県教育委員会が管轄する高校だけでなく、小学校、中学校、義務教育学校も含め、1年間で158校を訪問した」(記事より)。
それが迷惑なんだ、って。
教員の仕事増やしてるだけだろうに。
たぶん、本ブログをお読みの先生方にとって参考になることは一つもないので、読まなくていい。
では、なぜ取り上げたのだ。
そう、そこが重要なところだ。
プロから見たら噴飯物の改革ごっこであっても、一般県民からしたら「改革の旗手」に見えるのだ。
そう見てしまう人が多いのだ。
県知事自らがスカウトしてきたという触れ込みであるから、知事としても派手に立ち回ってもらわんと困るのだ。
コツコツと地味な改革をやってもらうために呼んだんじゃねえ。
それで、マスコミを使って「すごいぞ」という記事を書いてもらった。
というか、書かせた。
まあ、よくあることだ。
このあたり民間出身者は実に抜け目がない。
参考にするとしたら、ここだろう。
つまり、改革の中身ではなく、マスコミの利用の仕方。
自分で言うのではなく、人に言ってもらう。
私はマスコミ業界の最底辺でギリギリ生きている人間なので大したことはできないが、それでも良ければ「提灯記事」の一本や二本書くよ。
さて。
少しは真面目な話も書かなくてはいかん。
引き算こそが最大の改革である。
やることではなく、何をやらないかが重要なのだ。
×「本校では新たにこれをやります」
〇「本校ではこれをやめることにしました」
先に引き算やっとかないと、増える一方だろう。
だから足し算の前に引き算。
引き算と足し算がセットになった改革でなければ成功しない。
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